本日の1枚 Cymbals
Cymbals / That's Entertainment (CD)
- アーティスト: Cymbals,矢野博康,沖井礼二,土岐麻子
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2000/01/21
- メディア: CD
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2000年にリリースされたメジャーでのファースト・アルバム。
当時はまぁ遅れてきた渋谷系に語られてたんですけど、90年代に散々出尽くしたフリッパーズやピチカート系列のバンドの屍を前にしても、軽やかにそれらを飛び越えていく身軽さと力強さ、したたかさを備えています。
フリッパーズの初期衝動的な音楽への姿勢を久し振りに耳にしたような気がしたんですよ、当時は。
似たような音楽を奏でたバンドはいくらでもあったはずなのにそいつらはなぜ誰もできなかったのか、というそれこそフリッパーズ的な、音楽への偏愛から生まれる何でもあり感を体現できていると思えました。
そして英国ロックへの造詣の深さが滲み出るビート感も素晴らしく、決してお洒落では済まされない「ロック」な心意気を感じるのです。
まずは『Show Business』の疾走するポップ・センスに参りましたね、初めて聴いた頃は。どこかヒネクレたメロディなどが、追いかけてもつかみ所の無い感じで好いのですよ。
アルバム全体的に同タイプの疾走感溢れる曲が多いのですが、同タイプだから「飽きてくる」と感じる隙も与えない勢いが素敵であります。
『What A Shiny Day』は、お元気ソフロなアレンジのサンシャインなポップさが好い。特に「パパーパー」なコーラスとかね。
『Rally』は、ガチャガチャしたパンキッシュなポップ・ソングで、でもこれも疾走感がたまらないんだなぁ。聴いているとじっとしていられなくなります。
同様に『Answer Song』も疾走感が好いんだけど、ヴァイブなどのスウィートなアレンジが可愛らしい。
エレピの音色などがアーバン・メロウな『Rain Song』はシティ・ポップな趣もありますが、やはり現在の土岐麻子ソロ作品とは本質的な違いを感じますね。
スウィンギンなウネりに「ロック」を感じる『So What?』、繰り返される「パパパー」がツボを突く小品『Muzak Cycle』、
そしてラストの『What's Entertainment?』では一緒に走りだしたくなります。
お気に入りはまぁ今も昔も『My Brave Face』。文句なしの名曲ですね。
冒頭の口笛でまずはグッときますが、爽やかでキュートでひねくれていて、追いかけても捕まえられないガーリーさが最高であります。
Rally
My Brave Face