本日の1枚 Sonido 5

 Sonido 5 / En Vivo (CD)
 
 
 メキシコ産のブラジリアン・ソフト・ロッキンなグループ。1967年にリリースされたアルバム。
 まぁセルメン・フォロワーなサウンドではあるんですが、その洗練された音の合間に現れる下町っぽいラテンの野暮ったさがなんだか面白いのです。
 また、ライヴ音源のようでして、曲の前後に挟まれるMCがなんとも間が抜けています。これがなかったらもっと名盤に聴こえたかも・・・。
 しかし、その「ちょっと違う」感が素敵なのです。もうちょっとの工夫でソフロとして大成功するのに、という微妙な物足りなさが逆にモンド的な味わいを深めています。
 
 まずは『Batucada』から、しっかりと地に着いたリズムや前のめりなベースの音色などはかなりグルーヴィですが、男女コーラスはとても爽やかなのです。
 『Presentacion / Up Up And Away』は、ソフトなコーラスも軽やかで浮遊感たっぷり。メドレー形式でコロコロと趣を変わる潔さも好し。
 
 そして、ラテンな情緒がまた好し。
 思い切り歌謡ボッサな『More』なんか、いかにもラテンな情熱の雰囲気でなんだか微笑ましい。
 極めつけは『Tristeza』。イントロからリズムがなかなかに強力。躍動感の素敵さに期待も高まったところで、間の抜けたラテン歌謡な歌声、そしてバカっぽいMC。せっかくの演奏が、なんてもったいない!
 お気に入りはラテン・ボッサな『Felicidad』。軽やかさとグルーヴィさはセルメン直系のブラジリアン・ソフト・ロック風でありながら、あくまでもラテンの情熱がこもった歌声が面白い。
 
 『Amor』は、曲よりも客の笑い声に耳を奪われます。なんか動物の鳴き声みたいで。このモンドな空気感が素晴らしいのですよ。
 しかも曲自体はとてもお洒落さんなフレンチ・ボッサだし。「シャバダバ〜」。
 ラストは『Mas Que Nada』。セルメン系なのでね、やっぱ締めはこの曲か。普通にいい感じなソフト・ボッサで。