本日の1枚 Trio Mocoto
Trio Mocoto / Samba Rock (CD)
- アーティスト: Trio Mocoto
- 出版社/メーカー: Six Degrees
- 発売日: 2002/01/22
- メディア: CD
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2001年にリリースされた、なんと26年振りの復帰作。
昔ながらのファンキーさとメロウさは色褪せず、ブランクを感じさせない楽曲の質の高さに驚きです。特にエレピの使い方が絶品で、その浮遊感たっぷりのメロウさが心地良くってたまらない。
また、アーバンな演奏にも関わらず、なんか男気に溢れるヴォーカルがアンバランスで好い感じなのです。その歌声を活かせるメロディもいいなぁ。
そして微妙にエレクトロニクスを取り入れており、決して昔の型どおりな音楽を演っているわけでもありません。
オープニングの『Voltei Amor』は、ちょいと間の抜けたサンバ・ポップ。アコギなどの軽やかな演奏が夏の季節にぴったりで心地良い。
続く『Tudo Bem』は、ピアノの軽やかな音色がまた素敵。そして、ドスの効いた低音の語りがこれまたなんかちょっと間が抜けていて。
煌めきのアーバンさで涼やかなラテン・ポップ『Pensando Nela』、ホーンなどはちょいとファンキーなんだけどあくまでも洗練された軽やかさが素敵な『Adelita』。
『Nao Sei Porque』は、冒頭のピヨピヨした電子音が印象的ですが、高速サンバな曲自体はやはり軽快なリズムについつい身体が揺さぶられます。
ちょいとモンドなトロピカリア・テイストの『Kriola』、野暮ったい歌謡曲風な『Cyrano De Beijorac』、ラウンジーなインスト『Mocoto Beat』など、面白いがブラジリアン・ソウルとしてレベルの高い曲が続きます。
このアルバムの目玉はやはり『3月の雨』のカヴァーでしょうか。
超絶なクイーカの演奏でメロディを辿ったメロウ・ファンキーなインスト曲。かっこいいんだけど、やっぱりどこかファニーで、そしてやっぱりあくまでも心地良い。
僕のお気に入りは、エレピの音色もメロウなブラジリアン・ソウルの『A Tonga Da Mironga Do Kabulete』。
土着的にファンキーなリズムにも関わらず、とても「お洒落」な洗練さ。アーシーなエレピの音色とファニーな歌声の相性も素晴らしい。
そしてミニマルな心地良さに加え、微妙なリズムのタメ、転調にも職人的なアレンジ・センスを感じます。
ラストの『Fui』は、サマー・ブリージンなサンバ・フュージョン。
エレピの小刻みな音色によるリズム感が素敵だなぁと思って聴いていると、「ありがとう」「すいません」などと謎の日本語が・・・。
Voltei Amor