本日の1枚 Dawnwind

 Dawnwind / Looking Back On The Future (CD)

Looking Back on the Future

Looking Back on the Future

 
 英国のアシッド・フォーク・デュオ。1976年に自主制作でリリースされた盤のCD再発で、ボートラに2曲追加されております。
 ジャケのイメージどおりに、秋の日暮れにピッタリの音楽で、寂寥感にじみ出る哀愁のメロディに心打たれます。
 繊細に紡ぎだされる歌と音色はどこかドリーミーで、そして英国フォークらしい仄暗さと気品を湛えています。
 基本的にシンプルなフォーキー・ポップばかりですが、ピアノにマンドリンフィドルなど、耳にする印象よりは様々な彩りが添えられています。
 
 まずはオープニングの『Don't Look Now, Karen's Gone To The Moon』。徐々に内面の奥深くへ辿りつくような歌声と微妙な暗さのメロディが素敵なアシッド・フォーク。
 間奏のジャカジャカしたギターで紡ぐ陰影も好いし、いつまでも沈み込んでいくようなミニマルさも素敵にアーシーであります。
 『Concrete Circles』は、カントリー調であっても、なんか内省的な雰囲気がいいんだなぁ。明るそうだけどとっても暗くって。
 
 ジェントルなハーモニーで木漏れ日フォーキーな『Derelict』、民族的なリズム感で奏でる重い威圧感が凄い『Dogs Of War』なども好いですが、
 どーんと暗い『Canticle』から、やや明るい光が差し込む『Who's Passing Dreams Around』、そしてハーモニカもコーラスも軽快な『Street Singer』へと転じる、6曲目から8曲目の流れがお気に入りです。
 
 
 Canticle