第24回セレクト合戦 勝手にレビュー ロイヤルさん編

 テーマが「インスト」だと、いつも以上にセレクターの皆さんの嗜好が明確化されることを感じ入っております。
 さて、ロイヤルさんのセレクトは、とにかく「ヒップ!」。以前のセレクトもそうだったのですが、特に今回はそれが際立っております。
 しかも「どうだ!」て感じのカッコ良さではなくて、あくまでもさりげなくカッコ良い。
 それがまたクールでいいんだなぁ。
 
 収録されている曲目は、
 01. LIBERATION / AFRO BLUES QUINTET PLUS ONE
 02. POW POW / ANDRE BRASSEUR
 03. RUSH / BUDDY RICH BIG BAND
 04. IT'S GOT TO HAPPEN / BILLY PRESTON
 05. SWING OVER / BARBARA MOORE
 06. SLIM JENKINS' JOINT / BOOKER T.&THE MG'S
 07. GLITCH IN DA SYSTEM / MONEY MARK
 08. BLUES WALK / HERBIE MANN
 09. SAMBA IN THE MORNING / CARIOCA
 10. ALEXANDER'S RAGTIME BAND / RENE PAULO GROUP
 11. SAILING WONDER / 増尾好秋
 12. SAO PAULO / 渡辺貞夫
 
 曲目ごとの感想です。
 (01) は、フルートを中心としたクールな雰囲気の中で、楽器の音色とは真逆に暑さを発するヴァイブが面白いですね。
 (02) は、ズンドコしたグルーヴ感と妖しげな女性スキャットがいいですねー。
 (03) は、統制が取れてないようで取れてる疾走感が素敵。
 (04) は、暑いけどどこかファニーなオルガンの勢いがカッコいい。特に冒頭の数秒に参りました。
 (05) は、今回のテーマで「スキャットあり」と聞いたとき、まずは僕も候補に考えたのがこの人。「パパパパー」は不滅であります。
 (06) は、おっと、これは普通にカッコいい。でもやっぱちょっと怪しげ。
 (07) は、音はちょいとクリアですが、やはり雰囲気は70年代ライブラリーな怪しさとヘンテコさ、カッコ良さが。
 (08) は、軽やかに弾むグルーヴィさが心地良い。また、実はゆったりリズムを刻んでいるベースが素敵であります。
 (09) は、キャリオカ、初体験です。爽やかなブラジリアン・テイストと、ちょっとベタなスキャットの響きが素晴らしいですね。
 (10) は、小粋なバカ騒ぎ感にウキウキしちゃう曲。
 (11) は、サマー・ブリージンな温い風に吹かれて、暑いような涼しいような夏の日の気分。
 (12) は、ブラジリアン・テイストでありますが、実験的に駆け巡る音の渦は、トロピカリアなものとはまた異なるウネリを感じます。サイケな色彩ではなく、瞬く光が踊るような。
 
 ちなみに手持ちは(05)、特にお気に入りは(01)です。
 
 
 AFRO BLUES QUINTET PLUS ONE / LIBERATION
 
 ↓ロイヤルさん本人の解説はこちら
 http://d.hatena.ne.jp/adorable_fake/20100807