本日の1枚 フレネシ
フレネシ / メルヘン (CD)
- アーティスト: フレネシ
- 出版社/メーカー: 乙女音楽研究社
- 発売日: 2010/09/15
- メディア: CD
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テクノ・ポップ度の高まった新作。
前作までの小洒落たジャジーさなどは影をひそめた、突き抜けたポップさに驚かされました。想定外の方向に突っ走っている感じであります。
前作をこのブログで紹介したときには「内在する狂気が言葉の端々に溢れ出してるよう」と書いたのですが、もはや溢れ出る狂気を抑えることができなくなったようです。
暴走する乙女の感情は意味不明ですが、男子にとって理解できぬその姿こそはまさに乙女の魅力そのものであります。
そしてテクノ歌謡的な要素が高まると同時に、男子にとってモロにたまらないウィスパー・ヴォイスのキュートさも高まっております。
『インフレイションII』は、ピコピコと突き抜けた感じのテクノ・ポップ。
ディープ・ハウス・マナーな4つ打ちリズムとピアノの旋律が普通に心地良いのだが、歌の世界観やつかみどころのないアレンジのセンスはやはり普通ではない。特にラスト近くの「うーうーうー」てコーラスが入るとことかね。
『不良マネキン』は、同様にポップに突っ走る曲。すっかりPVのイメージが頭にこびり付いてしまいましたが、80年代的な歌謡感もまた素敵であります。
『コンピューターおばあちゃん』のカヴァーは、よりキュートなピコピコ度が高まってこれもいっちゃってます。
続く『街』で、エレクトロニカ・ポップな導入部に軽く驚く。一転して落ち着いたアーバンな雰囲気の曲で、ピアノ中心な美しいサウンドと儚げな歌声もまた好し。
『シノノメ』は、まるで渋谷系な軽やかなポップさが、不意にブラジリアンなジャズ・ロックへと変わったりとか、変態的なアレンジ・センスが素晴らしい。
『ロイコクロリディウム』は、つぶやきヴォーカルも含め、懐かしいフレンチ・ニュー・ウェーウな雰囲気でありますが、ふにゃふにゃに柔らかいがカラフルな色彩がいいなぁ。
タイトル曲の『メルヘン』は、ジャジーにフレンチ・ボッサ・ポップ。キュートなウィスパー・ヴォイスの素敵さが素直に楽しめるタイプで、すぐに終わるのがもったいない。
そしてラストにはボートラ扱いの『覆面調査員(中国語バージョン)』を収録。中国語とわかっていても、フランス語のような響きでありますが。
不良マネキン
メルヘン