本日の1枚 相対性理論と大谷能生

 相対性理論大谷能生 / 乱暴と待機 (CDS)

「乱暴と待機」

「乱暴と待機」

 
kobbadiva: 相対性理論の新作は映画「乱暴と待機」の主題歌で、この曲を共作した大谷能生は同映画のサントラも手掛けています。
kobbanova: で、誰なんだ、大谷能生って。
kd: 音楽家と同時に批評家としても活躍していて、、、
kn: (さえぎって)あぁ、「東京大学アルバート・アイラー」のもう1人のほうか。菊地成孔に隠れて名前なんか憶えてられないや。
kd: とりあえず聴きましょうよ。タイトル曲の『乱暴と待機』は、ホーンで刻むリズムの感触が独特ですね。
kn: どこかで聴いたような音だなぁ。昔ブギー・ダウン・プロダクションでこんなネタ使いの曲があったような(ブツブツ・・・)
kd: 私は特にイントロが興味深く思えました。温かく柔らかなようですが、実は無音部分も多いですね。本来「無音」が放つはずの、冷たさやシンプルさを全く感じません。そしてその低めのトーンで最後まで繰り返し引っ張るところもいいですね。いわゆるミニマル・ミュージックとはまた違った心地良さがあります。
kn: 低血圧なグルーヴ感だな
kd: ジャズにブラック・ミュージック、さらに現代音楽に関する感性が滲み出ていると思うのですが。
kn: けっ。それよかやっぱティカαの歌詞だな。
kd: サビの「男の子、男の子」「女の子、女の子」「〜あたりで2人は別れるの」なんて歌詞はピチカートっぽいですね。
kn: どこがだよ! 「グーチョキパー」とか言ってるし。
kd: あ、もう2曲目が始まりました。どの曲も短めですね。『Summer Of Nowhere』はベタなテクノ歌謡路線の曲で、この曲も映画「乱暴と待機」で劇中歌として使われています。
kn: うむうむ、曲展開も1つ1つの音のアレンジもベタベタでいいな、こりゃ。
kd: 名義は「大谷能生 feat やくしまるえつこ」になってますね。相対性理論のバンド・サウンドとはかけ離れています。
kn: (聞いてない)サビのちょっとだけ裏返る歌声がいいなぁ。このロリ声バランスは絶妙だ。「ダーリンよそ見をしないでね」とか、たまらんよ。
kd: 『幽谷』は映画のオープニング・テーマです。これは大谷能生の単独名義で、実験的要素も強いインスト曲ですが、、、
kn: まぁ頭でっかちな奴がやりそうな曲だな。勝手にやってろ。
kd: ラストは『乱暴と待機』の大谷能生セルフ・リミックス。ダブなリミックスですが、心臓鼓動なリズムや不穏に鳴り響く各種サウンドがドヨーンとした空気感を醸し出してますね。いいなぁ、この雰囲気。
kn: やくしまるえつこの歌声が少ないから却下だ!
kd: ・・・。
 
 
 乱暴と待機