本日の1枚 Jeanne Moreau

 Jeanne Moreau / Jeanne Chante Jeanne (CD)

Chante Jeanne Moreau

Chante Jeanne Moreau

 
kobbadiva: 女優のジャンヌ・モローが1965年にリリースした4枚目のアルバムです。
kobbanova: ジャンヌ・モローといえば「死刑台のエレベーター」だよなぁ。
kd: 他にも代表作はありますが、若い頃の彼女は「男を狂わせる女」の役柄が多いですね。ところがこのアルバムの彼女の歌声は、どちらかといえば優しくキュートな雰囲気が強いように思えます。アルバムを通じてどんな印象をお持ちですか?
kn: 全部いっしょに聴こえるな。
kd: またそんな身も蓋もないことを。曲によって古風なシャンソンだったり、フレンチ・ボッサだったり、モダンなジャズだったり、、、
kn: でも楽器の音も歌声も全部いっしょだよ。いや、決して貶してるんじゃないんだけどね。舌足らずな歌声が可愛くってたまんないよ。
kd: 1曲目の『La Celebrita』は、仕事の忙しい時間とプライベートのゆったりとした時間を表現しているそうです。
kn: うん、コロコロと転がり落ちていくようなヴァイブの疾走感が好いな。
kd: このCDはサバービア関連で再発されたのですが、そっち方面で人気なのはフレンチ・ボッサな3曲目『Les Voyages』と5曲目『Juste un Fil de Soie』。『Les Voyages』は、リゾートな雰囲気のフレンチ・ボッサですね。
kn: 無国籍感たっぷりなヴァイブの演奏が凄いよ、これ。何気に叩いてるようだけど。
kd: フルートも爽やかですね。
kn: でもちょっと気だるいヴォーカルもいいわ。ビーチの影で爽やかな風を受けながら過ごす南国の午後、てベタな空気感が好いのだ。
kd: 『Juste un Fil de Soie』も、同様に素敵なフレンチ・ボッサですね。
kn: でもこっちはちょっと夜の雰囲気かな。洒落てるけどサウンダージ感はしっかりしてるし、フレンチ・ボッサのお手本とするべし。
 『Les Petits Russeaux Font Les Grandes Rivieres』は、ホーンとかのファニーな演奏がいいな。ウキウキしてくるよ。
kd: でも歌詞は文明批判的なようです。おちょくった歌詞も曲調以上に面白いですよ。
kn: そんなこと言われてもフランス語なんかわかんないだろうが。聴いてて楽しけりゃいいんだよ。
 おっと、次の『Errante du CEUr』はアシッド・フォーキーでいいな。
kd: この曲の歌詞は難解ですが、、、
kn: じゃあ説明しなくていいよ。木漏れ日フォーキーだが内省的な空気は伝わってくるし。
kd: ・・・。(気を取り直して)『Quelle Histoire』は、コミカルなサンバですね。
kn: うむ、間の抜けたリズム感がいいわ。グルーヴィさはないけどね。
kd: 例えば同じフレンチ・ブラジリアンの『Les Voyages』と比べると、早口の言葉のキレが印象的ですね。グルーヴィさがないと言われましたが、言葉がリズム感をしっかり増強させてると感じます。
kn: うーん、やっぱジャンヌ・モローといえば「小間使の日記」のほうがいいかな。
kd: 聞いてくださいよ・・・。