本日の1枚 狼と旅の音楽

 O.S.T. / 狼と旅の音楽 (CD)

狼と香辛料 original soundtracks

狼と香辛料 original soundtracks

 
kobbadiva: 2008年にリリースされた、アニメ「狼と香辛料」のサントラです。音楽を手掛けたのは吉野裕司。古楽器を中心にした、中世のヨーロッパ風のトーンで統一されています。
kobbanova: 中世ヨーロッパの音楽ってのがよく分かんないけど、トラッドな雰囲気の曲が多いな。例えば1曲目の『商人と狼と、旅の荷馬車』は、バグパイプなどの音色も心地良いハッピーに祝祭的な逸品。トラッドっぽいけどチェンバー・ポップ的な要素もあって、とってもキュートでファニーなんだなぁ。
kd: バンドネオンとストリングス、というスタイルの曲も目立ちますね。音色からノスタルジックな雰囲気のものが多いですが、『強い風が吹いても』などはすごい迫力ですね。
kn: でもやっぱトラッド系の曲が素晴らしいよ。『しっぽとダンス』や『光る轍』の、跳ね回るリズムが産み出す躍動感が素敵すぎる。
kd: コーラスが重なる『下弦の月』はスパニッシュ風に聴こえますね。
kn: 「はぁー」てこだまするコーラスがいいな。これ、バーバラ・ガスキンとかの歌声だったら最高だろうなぁ。
kd: 『異国の調べ』や『正しき天秤』などはアラビア風ですね。
kn: このシタールみたいな音色はブズーキという古楽器なのか。ブズーキってマンドリンみたいな音だと思ってたんだけどな。
kd: あとは小刻みなフレーズを繰り返すミニマルな楽曲も目立ちますね。
kn: ヴァイオリンのみでダンス・ミュージックなグルーヴィさを感じる『ざわざわする』とか。『食む』はなんかテクノ的な感性を感じるな。
kd: ヴォーカル曲もいいですね。『旅の途中』はアニメのオープニング曲、『リンゴ日和』はエンディング曲のようです。
kn: 『旅の途中』はアイリッシュ・ポップスみたいな雰囲気だな、サビで盛り上がらないメロディ展開とか。そしてトイ・ポップな趣もある『リンゴ日和』はとってもキュートで素晴らしい。英語詞を辿る拙い歌声がまたキュートである。
kd: アニメのサントラということが信じられないようなアルバムですね。
kn: うむ。非常に素晴らしい盤であるが、致命的な欠点もある。
kd: 何が気に入らなかったんですか?
kn: ジャケだ。中年男にこのジャケをレジに持っていかせるのは罰ゲーム的だよ。通販で買う以外はありえないな。きっとアニソン系でも名盤は多々あるんだろうけど、ジャケがネックとなって開拓していくことが非常に困難に思えるよ。
 
 
 商人と狼と、旅の荷馬車