30デイズ・ナイト

 30デイズ・ナイト

 
 冬に30日間太陽が昇らない極夜が訪れつ極北の町。そこに現れたヴァンパイアの集団が人々を襲い始める。保安官のエバンは、家族や仲間ともに屋根裏部屋に身を潜めるが、、、というストーリーです。
 
 スティーヴ・ナイルズのコミックをサム・ライミのプロデュースで映画化されたもの。
 監督は「ハードキャンディ」のデヴィッド・スレイドです。
 ストーリーはヴァンパイア・ホラーとしては非常にオーソドックスなもの。暗い中で襲いかかるヴァンパイアから逃げ回り、そして最後は立ち向かいます。
 ヴァンパイアたちのメイクは怖くない、というかむしろ滑稽なくらい。
 
 しかしながらこの作品、結構「怖い」のですよ。
 
 ヴァンパイア作品で「リアルさ」を演出するのはもはや困難を極めることだと思いますが、その困難さを克服できた希有な作品でなかろうかと思います。
 まず特筆すべきは「音」。舞台が極夜の町なこともあり、無音状態が多いのです。余計な音を排除したことで、要所要所での1つ1つの音が際立ちます。単純に言えば、ビックリ効果がとてもお上手な音処理。
 次に「暗い」映像がとても美しいこと。暗いのに自然や町の様子が美しく浮かび上がり、それ故に残虐なシーンがとても生々しく感じられるのです。
 そしてスピード感。ストーリー展開も、そしてヴァンパイアの動きもスピーディ。特に前半は、画面から目が離せない緊迫感が持続されます。
 惜しまれるは、今で何日目、みたいなテロップが表示されること。せっかくの緊迫感が薄れてしまいます。
 30日という設定は不要だったかも。むしろ1夜の出来事という設定のほうがいいよ。
 
 また、一応、ゴアなシーンも多々用意されています。
 
 これは賛否別れるところでしょうが、スプラッタ・ファンとしては素直に歓迎であります。
 
 あとはまぁ、やっぱヴァンパイアには杭を打って欲しいよなぁ。