悪魔の毒々ボウリング

 悪魔の毒々ボウリング
 
 対立する若者2グループがボーリングで勝負をかける。しかしその前日に諍いを起こし、女性サラは相手グループの男たちに強姦されてしまう。さて、勝負の当日、閉鎖されたボーリング場で次々と、、、というストーリーです。
 
 いやぁ、さすがは「毒々」シリーズとしてリリースされただけあって、とにかく酷い作品であります。
 まずはレイプシーンから始まるのですが、ここではとにかく執拗に女性をいたぶり続ける場面が描かれます。ホラー映画にありがちな「お楽しみエロ」さは皆無で、生理的な嫌悪感しか感じられないエグさ。もうこの時点でゲンナリしてしまいますな。
 そしていよいよ中盤以降に無差別殺人が始まるのですが、こうなってくるともうストーリーなんて無いも同然。それが故に意味不明なラストに向けて収束していくのですが、しかし殺人鬼の正体は思いきり布石どおりだったり。
 
 とりわけ残念なのは、ボーリング場という設定を活かした惨殺方法などがとても素敵に面白いのに、それが全然笑えないこと。前述のレイプシーンだけでなく、作品全体を陰鬱な雰囲気が覆っているからであります。
 ボーリングバックを頭に被った殺人鬼。この素晴らしくバカっぽい設定がなぜかユーモラスに感じられない。
 
 男のズボンをずり降ろして尖ったボーリングピンを尻に突き刺したり、ボーリングボールの代わりに生首がコロコロと転がって出てきたり、結構アイデアはいいんだけどなぁ。なんか笑えないなぁ。
  
 
 しかし何より酷いのは、ボンヤリと画面を覆う黒いぼかし処理。特にグロなシーンはすべて画面が真っ黒または真っ白になっちゃうので、何やってるのか全然わかりません。
 これはもともとの自主規制なのか、日本版DVDで編集されたのか、どっちにしても「売り」のはずのゴア・シーンがあまりにも残念なことになってます。
 
 
 結末も非常に後味が悪く、とにかく全体として不快な印象ばかりが残る酷い作品でありました。