ベルリン・オブ・ザ・デッド

 ベルリン・オブ・ザ・デッド
 
 別れた彼女に復縁を求めるため、彼女が住むベルリンのアパートを訪れた男。しかし、彼女の部屋で作業をしていた配管工の1人が突然ゾンビと化し、彼に襲いかかる。もう1人の配管工と協力し、部屋に立てこもって難を逃れはしたが、窓から見下ろすと、アパートの下にはゾンビが溢れかえっていた、、、というストーリーです。
 
 ドイツ産の低予算ゾンビ映画であります。
 ゾンビのメイクも顔に色塗ってるだけだし、襲撃といっても噛みつくだけで、全然グロなシーンなどは出てきません。
 アパートに閉じ込められてる設定なので、ほとんどが部屋の中だけ、しかもゾンビはあまり登場せずにストーリーは進んでいきます。
 などと書くと、どうしようもないB級ホラーのように思えるでしょうが、いやいや実はこれが結構観れる作品でありました。
 
 人間ドラマとしてなかなかに良質。
 ゾンビに噛まれたと勘違いされた途端に態度が豹変するの心の嫌らしさや、自分だけ助かろうとエゴをむき出しにしたり、何も言わず悲観して首を吊ったり。
 そのへんの心理描写が実にサラリと描かれていて、それがとても「リアル」なのであります。
 だいたい、主人公がさえない若ハゲの男で、追いかけられる元恋人もデブで不細工なんだもの。そんなところも「リアル」な感じで。
  
 
 そうそう、当然ながら銃でゾンビを撃ったりなんかもしません。登場人物は小市民なんだから。
 唯一の対抗武器は、、、観てのお楽しみに。
 時間はわずか1時間しかない小品でありますが、わくわくして観られる佳作でありました。