本日の1枚 中谷美紀

 中谷美紀 / 食物連鎖 (CD)

食物連鎖

食物連鎖

 
kobbadiva: 本日のお題は、1996年にリリースされた中谷美紀のファースト・アルバム。プロデュースは坂本龍一で、大貫妙子小西康陽高野寛などが参加しています。
kobbanova: うわー、久々に聴いたらなんだか恥ずかしい気分になっちゃうな。もう80年代の教授プロデュース作品を好んでた頃を強制的に思い出させられるような。
kd: 確かに80年代頃の坂本龍一さんのアレンジを彷彿とさせますね。
kn: というか、モロだろ。その完成度の高さゆえに、なんか「シャレ」でやってるんじゃないかって勘ぐりたい気にもなるな。
kd: あまりクセのない透明感溢れる歌声は、坂本龍一の作品にピッタリとはまってると思うんですがいかがでしょう。例えば冒頭の『MIND CIRCUS』とか。
kn: 綺麗な声だけど、クセが無さすぎじゃないかな。この『MIND CIRCUS』は曲自体はすっごく印象的なのに、聴いた後に歌声が全然耳に残ってないよ。2曲目の『STRANGE PARADISE』もとてもいい曲なのに、なんか安物のアニメの主題歌みたいな歌唱だよ。話は変わるけど、「ベルリンの壁」とか「ナイフ」とかって歌詞に時代を感じるよなぁ。
kd: 小西作品の『逢いびきの森で』はどうですか。
kn: 気色悪いリズムによるインチキっぽいジャズ歌謡さがいいね。でもやっぱ、相性でいえば大貫妙子作品の『my best of love』が素晴らしい。プヨプヨした浮遊感のエレクトロ・ポップさがたまんないね。
kd: 浮遊感といえば続く『WHERE THE RIVER FLOWS』も面白いですね。フュージョン・マナーなアレンジが随所に挟まれたり。
kn: それこそ「シャレ」っぽいよな。
kd: ヴィニシウス・ カントゥアリアが作曲した『LUNAR FEVER』は、やはりブラジルっぽい感性に溢れてますね。アコギの刻みなんかが心地良いです。
kn: ラストの『sorriso escuro』はヴィニシウス・ カントゥアリアとアート・リンゼイか。水族館エレクトロ・ポップな音がなんだか懐かしいよ。そんなのも80年代的で、美しい曲だけどちょっと笑える。
 
 
 MIND CIRCUS