本日の1枚 Sandy Denny

 Sandy Denny / Rendezvous (CD)

ランデヴー+5(紙ジャケット仕様)

ランデヴー+5(紙ジャケット仕様)

 
kobbadiva: 言い忘れてましたが、今年はレコ棚に埋もれた盤をサルベージしていきたいと考えております。
kobbanova: だいたい1回聴いて忘れてしまうような盤って、何度聴いてもあんまり好きになれないよな。
kd: そんなこと言わないで下さいよ。で、今日はサンディ・デニーが1977年にリリースした4枚目のソロ・アルバム。残念ながら遺作となった作品でもあります。
kn: 一般的には初期のモロにフォーキーなアルバムのほうが評価が高いと思うけど、俺もそうだな。
kd: だからそう言わずに、ほら、1曲目の『I Wish I Was A Fool For You』なんてどうですか。リチャード・トンプソンの曲ですが、いきなりロック色の強いアレンジですね。
kn: どうしてだか分からないんだけど、普通にバラードしてる曲とかロックな曲とかだと、せっかくの彼女の素敵な歌声がなぜか「歌の上手いおばちゃん」にしか聴こえないんだな。悪い意味じゃないけど。
kd: いや、悪い意味でしょ、それ。
kn: 続く『Gold Dust』はジャジーなイントロだな。リズムなんかもちょっと面白い。こういうAOR的な要素もこのアルバムのポイントだとは思うんだけど、でもなぁ、やっぱ彼女が歌うべき曲じゃないような気がするよ。
kd: 『Candle In The Wind』は、エルトン・ジョンがダイアナ妃追悼のために歌って有名になった曲ですね。
kn: もとはマリリン・モンローためにだかなんだとかいう曲だろ。別にいい曲だとは思うけど、やっぱこんなアレンジで彼女の歌声を聴きたくないよ。
kd: 『Take Me Away』の力強さとか、『No More Sad Refrains』のモダンさとかは如何ですか。というか、お気に入りの曲はありませんか。
kn: 長尺の『All Our Days』なんかはまぁ彼女らしさが出てるから好きかな。このオーケストレーションは英国らしい陰影に加えてポップさも湛えていて、なかなか素敵だと思うよ。
kd: それまでの彼女の作品になかった「外」への広がりを感じる試みを感じます。しかし、アルバム全体としてはやはり好きになれませんか。
kn: 残念だけど、やっぱちょっと。とりあえず今日はサルベージ失敗だな。