本日の1冊 山田風太郎忍法帖短篇全集1 かげろう忍法帖

 なぜだか急に山田風太郎の忍者モノが読みたくなる。図書館に風太郎忍法の短篇全集が置いてあるのを発見したので、とりあえず1巻目を借りて読んだ。
 収録されているのは「忍者明智十兵衛」、「忍者石川五右衛門」、「忍者向坂甚内」、「忍者撫子甚五郎」、「忍者本多佐渡守」、「忍者服部半蔵」、「『今昔物語集』の忍者」、「忍者帷子乙五郎」の8編。
 時代はどれも戦国時代末期頃のもので、各短編が微妙にシンクロしているのもまた興味深い。
 というか、多彩に奇抜な忍法と独特なエロ感の面白さはやはり凄いよなぁ。
 ストーリー的には「忍者本多佐渡守」、忍法的には「忍者帷子乙五郎」が好いんだけど、特に惹かれたのは「『今昔物語集』の忍者」でした。今昔物語に登場する忍法的なお話とともに、今昔物語そのものの素敵さを紹介していて、著者のウキウキ感が伝わってくるようなエッセイなのです。なんだか今昔物語を読みたくなっちゃったよ。