本日の1冊 くノ一死ににゆく

 山田風太郎忍法帖短篇全集の4巻目。「捧げつつ試合」、「濡れ仏試合」、「逆艪試合」、「膜試合」、「かまきり試合」、「麺棒試合」、「つばくろ試合」、「摸牌試合」、「絵物語 忍者石川五右衛門」の9編を収録。
 各タイトルどおりに試合的に忍法技をかけあう趣向の作品が並んでいます。
 やはり奇想な忍法が繰り広げられるのですが、しかし主役は「くノ一」であることから、当然ながらエロ要素の強いこと強いこと。
 男性週刊誌的に親爺エロな展開の中に、あくまでも日本人らしい悲哀をこめた手法は流石であります。
 全くもって想定外などんでん返しに呆気にとられる「つばくろ試合」、多数の忍者の命を犠牲した先にあまりにアホらしいオチで締めくくられる「摸牌試合」が特にお気に入りです。