本日の1枚 細野晴臣

 HoSoNoVa / 細野晴臣 (CD)

HoSoNoVa

HoSoNoVa

 
kobbadiva: 本日のお題は、細野さんの新譜です。全曲とも歌ってるヴォーカル・アルバムであります。鈴木茂林立夫高田漣コシミハルなどの他、Cocco伊藤大地SAKEROCK)なんかも参加しています。そして、なんとヴァン・ダイク・パークスも!
kobbanova: というか、タイトルから想像したボサ・ノヴァなテイストは全然ないんだな。昨年末のクリスマス・アルバムでは「赤鼻のトナカイ」をボッサにカヴァーしてたんで、ちょっと期待してたんだけど。
kd: 米国のオールド・ソングをカヴァーしてたりしてますが、雰囲気はアコーデオンの音色のせいかパリっぽく感じました。
kn: なんとなく港町な雰囲気だと思ったよ。そして、海の先にはトロピカルな世界が。
kd: 1曲目の『ラモナ』はまさに港町な感じですね。1928年の米国映画の主題歌だとか。
kn: 声がいいよなぁ。疲れた優しいメランコリックさが曲にピッタリで。
kd: 2曲目『スマイル』はチャップリン「モダン・タイムス」から。
kn: イントロは浮遊感たっぷりのエレクトロニカ風だけど、すぐにエキゾな雰囲気に。東洋っぽくもあり、西洋っぽくもあるエキゾさ。
kd: 3曲目『悲しみのラッキー・スター』は、ヨーロッパの街角な雰囲気ですね。微妙にウキウキとくるお洒落さです。
kn: 4曲目『ローズマリーティートゥリー』も同系統のお洒落さだが、とろーんとメロウな音色のギターの紡ぎが素晴らしいな。
kd: 5曲目『ただいま』は星野源に提供した曲のセルフ・カヴァー。
kn: これもイントロだけ聴くと生音エレクトロニカ。その雰囲気を少々残しながらも、しかしオールド・タイミーでもある。なんだか凄い世界観、この味は細野さんにしか出せないよな。
kd: 6曲目『ロンサム・ロードムービー』は、ギターのせいか鈴木茂の色が濃いですね。
kn: ずーんと響く低音が結構グルーヴィで、サビがめちゃくちゃカッコいいや。
kd: 7曲目『ウォーカーズ・ブルース』は、高田漣のペダル・スティールが印象的で耳に残ります。
kn: 「死ぬまで生きるだけ」って歌詞がいいなぁ。小粋にウキウキした曲調も、歌詞の人生観が滲み出てるような。
kd: 8曲目『バナナ追分』はCOCCOと歌っています。タイトルがいいですね。
kn: ジャズ・ファンキーな音だけど、こういうループ感はテクノを経過していないと出せないと思う。
kd: 9曲目『レイジーボーン』はホーギー・カーマイケルの曲ですが、ヴァン・ダイク・パークスがピアノで参加!
kn: 思い切りオールド・タイミーな音ではあるけど、とろーんとした重さがまた好い。
kd: 10曲目『デザート・ブルース』はジミー・ロジャースという人の1929年の曲だそうですが、この曲では細野さんがヨーデルを披露しています。
kn: 11曲目『カモナ・ガール』はあざといまでの和風アレンジだな。重いようで浮遊感もある不思議な心地良さだ。
kd: そしてラストの『ラヴ・ミー』は、なんとプレスリーのバラード。
kn: 南国なゆったり感が面白い。やっぱ、なんとなくトロピカルだよ。
kd: ということで、全曲について少しずつ感想を述べましたが。
kn: まぁいいアルバムだと思います、はい。
 
 
 悲しみのラッキースター