本日の1冊 バウドリーノ(下)

バウドリーノ(下)

バウドリーノ(下)

 歴史を語る上巻に比べると、ファンタジーな冒険譚へと趣を変える下巻。
 一つ目の怪物や珍妙な部族のオンパレードなど、荒唐無稽な展開は普通にワクワクして読めてしまうのだ。
 そんな冒険小説の合間を縫って、神学に係る蘊蓄や論争が差し挟まれるのはやはりエーコの作品っぽくはあるのだが。
 終盤では皇帝の死を巡る謎解きが。なるほど、ミステリーとも紹介されていたのはこの所為なのか。