本日の1冊 安徳天皇漂海記

安徳天皇漂海記

安徳天皇漂海記

 壇ノ浦の合戦で入水した幼帝安徳天皇は、琥珀色の玉に包まれて海を漂う・・・。
 源実朝が自分の首を捧げることで日本を救う第1部、マルコ・ポーロが黄金の島に辿り着く第2部とも、史実をファンタジーで紡いでいく手法の巧みさに驚かされます。
 そして、要所を和歌でバシッと決めるのも素敵であります。
 また、ストーリー全体が澁澤龍彦「高丘親王航海記」を下地にしているのですが、かの名作とは味わいの異なる美しさに酔いしれそう。特にラストのへんとか。