本日の1冊 オジいサン
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/03/10
- メディア: 単行本
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身の回りの些細なことに気を取られ、思考を巡らしていく様は、ボヤキ漫才的なシニカルかつほのぼのとした笑いに満ちている。
そしてそのボヤキは、日常に潜む真実をあぶり出す格言として学ぶべきでもあろう。
録音の需要があって録音機が普及したのではなく、録音出来る機械が普及した結果、録音するという特殊な行為が一般化したのではなかったか。
お気に入りは、あれこれと悩みながら朝食を作ってるとこや、徘徊する老人たちをゾンビに例える件(くだり)とか。
ほんわかとハッピーなラストも読後感良し。
しかし、老人の時間感覚に対する考察は、ある意味でホラー的でもありました。