本日の1本 ゾンビパーク

 
 6人の高校生を乗せたバスが僻地で事故を起こしてしまい、近くのトレーラーパークで一夜を過ごそうとする。トレーラーハウスに住む女性が彼らをあたたかく迎え入れてくれたが、、、というストーリーです。
 
 テレビの映画番組が写り込むオープニング。テレビの出演者はハーシェル・ゴードン・ルイスの「2000人の狂人」を誉め讃えてます。
 実はこの作品、ゾンビ映画ではありません。それでこのタイトルとパッケージはないよなぁ。
 で、どんな内容の作品かを簡単に言い表せば、「2000人の狂人」へのオマージュに満ちた「田舎に行ったら襲われた」系のスプラッタ・ホラー、であります。
 
 いかれた住人ばかりのトレーラー・パークの生活から抜け出せない女性ノーマが、恋人を殺されて怒りを爆発させ、銃で住人を皆殺しにしたうえ自殺を図るシーンから始まります。
 具体的な映像ではなくストーリーの進行全体から「不快さ」がにじみ出るこの幕開けは、ある意味で最大の見せ場かもしれません。
 
 そして、バカっぽい若者たちがこのトレーラー・パークに迷い込むというお決まりのパターンへと。
 若者たちを迎え入れたのは死んだはずのノーマ。皆殺しにされた住民たちは死霊として復活しており、ノーマはその女王として君臨していたのだ。
 その後の展開はもう書くまでもないでしょうが、若者たちが順々に死霊の餌食となり、惨殺されていきます。
 
 適度にグロい映像は派手さはないんだけど、見せ方が結構上手い。
 
 
 腕を切断されたのにヘラヘラ笑ってる中毒女とお化粧(?)途中のノーマ
 
 「料理」したりする場面もありますが、なんかどっかで観たことのあるような。
 
 特に目新しい試みもなく、ストーリーもいたって平凡に展開していくのですが、それでも僕はこの作品に好感を持てました。
 オープニングで描かれる背景、素性も含めしっかり描かれる登場人物のキャラ、きっちりと貼られる伏線など、非常によく練られたうえで制作されていると思います。 
 特に、バカっぽく進んでラストでホロリとさせる展開も、このタイプのホラーとしてはお見事と言っていいでしょう。
 こういう、こじんまりとした佳作に出会えた喜びが忘れられないから、ついまたクズっぽいホラーを手にしてしまうのだ。