ここ最近読んだ2冊

 「生霊の如き重るもの 」

生霊の如き重るもの (講談社ノベルス)

生霊の如き重るもの (講談社ノベルス)

 学生時代の刀城言耶が遭遇した5件の事件を収録した短編集。
 子供の視点から語られる3編は、同様の語り口でのホラー作品が得意な作者の真骨頂であろう。
 しかし、やはり短編のせいか、あんまり「怖くない」のが難点。今度はとびきり怖い同シリーズの新作長編を期待。
 
 「ヴァンパイアハンターリンカーン
ヴァンパイアハンター・リンカーン

ヴァンパイアハンター・リンカーン

 リンカーンの真実は吸血鬼との闘いにあった!
 キワモノっぽいタイトルとジャケ絵から想像される内容を遥かに凌駕する傑作であります。
 史実をもとに妄想を織り込んでいく手法は、まるで山田風太郎をはじめとする我が国の伝奇小説を想起させます。
 所々バカっぽくても、リアリティがあるんですよ。しかも陰惨な。
 ポーとの出会いなど、ちょっとしたネタも秀逸。