本日の1枚 家族時間

 V.A. / 家族時間 〜NHKみんなのうたカバー集〜 (CD)

家族時間~NHKみんなのうたカバー集~

家族時間~NHKみんなのうたカバー集~

 
 タイトルどおりに「NHKみんなのうた」をカヴァーした企画盤。キリンジ嶺川貴子土岐麻子空気公団原田郁子など、つい聴いてみたいと思ってしまう参加者たち。
 こういう企画盤って、無理して個性的にカヴァーしようとして失敗しちゃうケースも多々あるのですが、これは割りとみんな好きにやってる感があってなかなか好カヴァー盤だと思います。
 
 1曲目の『恋するニワトリ』(タテタカコ)は、ピアノでシンプルに始まり、それがサビで転がるように駆け抜けるキュートさが好い。
 『フニクリフニクラ』(HARCO)は、ヴァイブなどの音色とリズム感がとてもエキゾだったり、『小犬のプルー』(堂島孝平)は、中性的な歌声の背後で響くことがジャジー&トイ・ポップであったり。
 爽やかハウスな『WAになっておどろう』(RAM RIDER feat. YUUKI)、レゲエな『なんのこれしきふろしきマン』(荒井良二)、ディープ・ハウスな『たのしいね』(SUGIURUMN feat. Tomomi Ukumori)とか、奇を衒わないアレンジが好感度高し。
 
 さて、冒頭に参加者として挙げた5名に期待してたんですが、どれも期待どおりのモノでした。
 まずはキリンジの『遠い世界に』。思い切りピコピコな電子ポップに仕上げています。妙にハマる。
 空気公団の『北風小僧の寒太郎』は、イントロのあのメロディをテルミンで。それだけでもう素晴らしい。
 嶺川貴子の『空にはお月さま』は、薄い電子音にキュートな歌声が柔らかく響き、そこから感じる寒く暖かな雰囲気が素敵すぎる。
 土岐麻子の『キャベツUFO』は、シンセ系シティ・ポップなアレンジなんですが、冒頭のヴォーカルが入る瞬間が尋常じゃなくカッコ良くって鳥肌もの。リズムが躍動し始める部分も完璧で、この曲が一番のお気に入りであります。
 ラストは『手のひらを太陽に』(スカンク兄弟と原田郁子)で、ハッピーに終わるのも後味が良くって好い感じであります。