先週読んだ4冊

 「仰天カルト・ムービー100」

映画秘宝EX 映画の必修科目01 仰天カルト・ムービー100

映画秘宝EX 映画の必修科目01 仰天カルト・ムービー100

 タイトルどおりカルト映画作品の名作100選を紹介した本。
 ビギナー対象ということでまぁ定番ものが中心なんですけど、久々にすべての作品を観直そうかと思ってしまうようなレビューでした。ワクワクしながら映画を観ていたあの頃を思い出した。
 中川翔子アレハンドロ・ホドロフスキーを語ったり、コラムも好い感じであります。
 次は韓国映画編のようですが、邦画編にも期待したい。
 
 「オブザデッド・マニアックス」
オブザデッド・マニアックス (ガガガ文庫)

オブザデッド・マニアックス (ガガガ文庫)

 学園ゾンビなラノベ。しかし、なんとも素晴らしい傑作でありました。
 オーソドックスなゾンビ映画をなぞるような展開でスタートするが、中盤以降はスクールカースト問題を巡る内容が中心に据えられていく。
 ロメロがゾンビ映画で風刺した消費社会が、学校内の風景に置き換えられる。そのストーリー展開がいかに幼稚であっても、妙に説得力を感じてしまうのだ。
 「非常時にあってはLPレコードさえも兵器となる。」とか、ゾンビ映画ファンをいちいち微笑ませる細やかな描写も好し。そして、青春物語に終結していくラストもまた好し。
 
 「箱庭図書館」
箱庭図書館

箱庭図書館

 素人の作品を連作短編集として乙一がリメイクしたもの。
 といっても実験的な要素は薄く、むしろこぢんまりとまとまっている。タイトルどおりの印象ですね。(褒めているつもり)
 各話の微妙な連関が素敵で、全体の切なさと愛らしさを高めています。特にラストの「ホワイト・ステップ」の切なさに普通にキュンときました。
 
 「完全・犯罪」
完全・犯罪

完全・犯罪

 紹介文に「世にも奇妙な恐怖物語5編」と書かれていますが、まずは冒頭タイトル作がドタバタSF喜劇でずっこける。
 他の短編もなんだか筒井康隆的にブラックユーモアなアイデアのホラー作品が並ぶ。まぁ面白いんだけど、なんだかちょっと物足りないか。