本日の1枚 Brian Wilson

 Brian Wilson / In The Key Of Disney (CD)

In the Key of Disney

In the Key of Disney

 
 ブライアン・ウィルソンは米国に何を見出してきたのか。何を見出していくのか。
 ビーチ・ボーイズ名義での「スマイル」発売直前にリリースされたブライアンの新譜は、なんとディズニー・ソングのカヴァー・アルバムであります。
 奇しくも僕は発売日にちょうど東京ディズニーランドに行ってたんだけど、アルバムを聴いて頭に浮かんだのは、TDLのどこかでもディズニー作品の名場面でもなくて、古びたモノレールの写真でありました。TDLのモノレール駅には、ディズニーとモノレールの歴史に関する資料が壁に貼ってますが、それらの写真ばかりが思い浮かぶのです。
 虚構を前提とした古き良きアメリカという感じで。ポップの神様がグッド・タイム・ミュージックに料理したディズニー楽曲にも関わらず、どこかモンドな空気を感じずにはいられない。なんとなくジム・オルークを聴いているときと同質の感覚であります。
 
 などと書きつつも、そこはやはりディズニー音楽とブライアンのコラボ。想像どおりのポップなアルバムではあります。
 トイ・ストーリーに始まり、ジャングル・ブック、ダンボ、リトル・マーメイド、ライオン・キングピノキオなど、お馴染みの曲をお馴染みのブライアン節で聴かせます。
 例えば、冒頭のトイ・ストーリーの『You've Got A Friend In Me』(ランディ・ニューマンのやつ)とかハマりすぎてますね。
 ダンボの『Baby Mine』などを聴くと、アメリカンな田舎の雰囲気でありながらも、あんまり泥臭さはなくってむしろ洗練されたアレンジであります。
 いかにもビーチ・ボーイズの人がディズニーやってます的な『We Belong Together』(トイ・ストーリー3)も好いですが、お気に入りは白雪姫の『Heigh-Ho』。落ち着いたファニーさキュートさが大人のおもちゃ箱って感じで。
 
 
 Heigh-Ho / Whistle While You Work