本日読んだ2冊

 「ゴーグル男の怪」

ゴーグル男の怪

ゴーグル男の怪

 表紙からして昭和な怪奇探偵小説の雰囲気ですが、内容もそんな意味での幻想的な香りが好いです。
 張り巡らした伏線が落語のオチで結実するラストは、あまりに呆気なくて呆然としてしまいました。面白いですけど。
 しかし、無理矢理にくっつけた脱原発なサイドストーリーこそ、読後に心に残ってしまいますね。
 
 「これはペンです」
これはペンです

これはペンです

 文章の自動生成装置を発明し、擬似論文生成事業を成功させた叔父と、その叔父から受け取る謎の手紙を解読し続ける姪の物語。
 「叔父は文字だ。文字通り」と、叔父の正体を探る姪。あらゆる推論をすり抜ける叔父は、小文字の他者であると同時に大文字の他者でもある。
 馴染みの薄い理系知識も散りばめられているが、その難解さもユーモラスさで解きほぐされ、そして読後感はなぜかほのぼのとしている。
 あまりに面白くて、続けてもう1回再読してしまったよ。