本日の１本 ドーン・オブ・ザ・デッド

　周りで褒めてる人が多いこの映画をやっと借りて観ました。

ドーン・オブ・ザ・デッド ディレクターズ・カット プレミアム・エディション [DVD]

　はい、『ゾンビ』のリメイクですね。ＣＭ業界出身ザック・スナイダーという人が監督、映像的になかなか凝っていて、グロさのなかにもどこか美しさが光ります。すっかり使い古されたテーマであるゾンビものを、Ａ級ホラーとして復活させた手腕はいいんじゃないでしょうか。
　これまでの（まともな）ゾンビ映画にはだいたい２種類あって、１つは迫り来るゾンビへの「恐怖」を前面に出したもの、もう１つは極限状態に置かれた人間の「狂気」を中心に描いたもの。この映画では、その２つの要素があまり強調されていません。ゾンビもあんまり怖くはないし、登場人物間の激しい激突も少ないです。
　その代わりこの映画では、理不尽な状況で何もできない人間の「哀しさ」が丹念に描かれています。まだ生きている肉親がもうすぐゾンビになるのに何もできない、その哀しみが繰り返されます。出産前の妻がゾンビ化したら産まれた赤ちゃんもゾンビになっていた、てシーンには胸が締め付けられそうでしたよ。
　amazon のレビューをチラチラ見てると、ストーリーに奥行きが無いという批判が多いですね。確かにそうだけど、でもそもそもゾンビ映画にストーリーなんか必要なのか、て思うけどなぁ。謎のウイルスが付着した隕石の落下だとか、軍が極秘に開発した細菌兵器とか、無理にゾンビ化に理屈付けてるゾンビ映画の陳腐さは酷いでしょ。
　ただ、『28日後』もそうだけど、走るゾンビにはどうしても慣れないなぁ・・・。