本日の1枚 Pucho & The Latin Soul Brothers

 ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』は、ベトナム戦争後の米国社会を風刺したものだとか。そういえば、『ベトナム・マンボ』て素敵なタイトルの曲があったな。

タフ!

タフ!

 セルメンはブラジル音楽を米国ポップスに融合させて成功した人だと思いますが、このプーチョはラテンの緩さとファンキーさを米国ポップスやソウル・ミュージックに融合させることに大成功した人だと思います。
 プーチョの音楽は、ポップで、ソウルフルで、ファンキーで、ヒップで、でもどこか間が抜けていて、その庶民的なカッコ良さが魅力です。
 これは'66年にプレスティッジからリリースした盤。名曲カヴァーを中心としたラテン・ジャズ・アルバム。見事な演奏の合い間にアホっぽいユーモラスさを見せる、その感性はクレイジーケンバンドが好きな人なら絶対にわかってもらえると思います。
 いきなり『Cantelope Island』のヒップなラテン・カヴァーでガツーンとやられます。ディオンヌ『Walk On By』のカヴァーはユル〜い雰囲気、あの『Yesterday』のメロディをヴァイブでなぞるカヴァーにはちょっと笑ってしまいます。カッコ良いんだけどね。
 で、『Vietnam Mambo』は他曲とは雰囲気が異なり、本気でカッコ良いラテン・ジャズ。クールなホーンの重なりにしびれます。