本日の1枚 Jane Birkin

 小林麻美のヒット曲『雨音はショパンの調べ』のシングルB面に収録されていたのが、ジェーン・バーキン『ロリータ・ゴー・ホーム』のカヴァー。日本語で歌ってますが、歌詞がいたってマイルドなため、原曲のエロさがちっとも伝わってきません。オリジナルの訳詞を初めて読んだときは、変態さに感動しましたよ。

ロリータ・ゴー・ホーム

ロリータ・ゴー・ホーム

 もうジャケからたまりませんね。妖しいフェロモンを発する少女の腕には手錠が嵌められてます。。。
 女優だけじゃなく歌手としても本格的に活動し始めた時期、'76年にリリースされたアルバムです。もちろんほとんどの曲をセルジュ・ゲンズブールが手掛けています。
 消え入りそうなカスレ声は、いつ聴いてもやっぱコケティッシュでいいですね。ただ甘いだけのウィスパー・ヴォーカルとは一線を画す、醒めたエロ具合が魅力的です。
 とりあえず1曲目『Lolita Go Home』で即KOされました。バーキンの声の素敵さと、キュートで甘い雰囲気に気を取られて気付いてませんでしたが、曲自体はファンクなんですね。アーシーな心地良さの源は、ギターのカッティングにあるのか。
 ゲンズブールの曲以外に、コール・ポーターのスタンダード・ナンバーを2曲収録。特に『What Is This Thing Called Love?』では、アイズレーばりのメロウ・ソウルなアレンジのエレピ使いが素晴らしい。
 他の曲も、メロウでグルーヴィな曲調のものが多く、フレンチ・ファンやロリ声ファン以外の、フリー・ソウルやレア・グルーヴを好む人たちにぜひ聴いてもらいたい盤です。