本日の1枚 Milton Nascimento
- アーティスト: ミルトン・ナシメント,エウミール・デオダート,ハービー・ハンコック,ジョゼ・マリーノ,ジョアン・パルマ,アイアート・モレイラ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2004/06/30
- メディア: CD
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もともと住んでいたのはインディオであったが、鉱山を経営するポルトガル人たち、財を求めてバイーアからやってきた黒人たちがやってきて、結果として、多種多様な文化が入り組んだ混血文化が生まれました。
その混血性をモロに反映したミナスの音楽は、南米独特の民謡にアフリカンなリズム感覚、教会音楽風のメロディが混ざり合っていて、奇妙な浮遊感と荘厳な美しさを湛えています。
ミナスの代表といえるのがミルトン・ナシメントでしょう。リオの新しい風をミナスの混血的感性で再構成したサウンドは、とてもユニークで美しい。
これは'68年から'69年にかけてCTIで録音したアルバムで、米国進出の1作目となった作品。ピアノにハービー・ハンコック、オルガンにデオダート、パーカッションにアイアート・モレイラ、ヴォーカルにアナマリアが参加しています。
デオダートによるものなのでしょうか、多数のヴァイオリンやフルート、チェロ、トロンボーンなど、オーケストラ編成でのアレンジが特徴的。そのオーケストレーションが、ミナス独特の浮遊感をさらに高めています。
空を仰ぎ無限に広がっていく空間、意識の拡散を感じるよう。
低音からグーッと伸び上がるミルトンのファルセットもまた、曲に負けず美しく、力強い。
スタンダード・ナンバーとなった曲を多く収録していますが、ミナスの特徴を強く感じるのは『Vera Cruz』。教会音楽の影響色濃い音の重なりと美しさ、そして何より、雲が漂うような浮遊感に心が開放されていきます。