本日の1枚 Remembrance Days of 80's

kobbanova2005-06-06

 さて、無節操に様々な分野から紹介していたこのコーナー(?)ですが、ちょっと分かりやすく整理していくことにしました。
 まずは80's ニューウェーヴ系から。FOEならぬFATを。
 
 Foetus Art Terrorism / Calamity Crush (12")
 ニューウェーヴが終息に向かい、ヒップホップなどのダンス・ミュージックが激しく台頭していた頃に、突如として現れた奇才ジム・フィータス。
 ロシア構成主義なジャケット・デザイン、アルバムやシングルをリリースする度に変更するユニット名などからも独特な美学が輝いていますが、それは当然ながら音楽にも現れています。
 エレクトロ・ファンクを高速化した激しいビートに金属的なシンセ・ノイズ。DAFにヒップホップ的感性を付与し、「何でもあり」なサンプリングで混迷を極めた音の渦は、有無を言わせぬ怒涛の攻撃性をピシピシと発しています。
 この盤は'84年にリリースされたシングルで、ヒップホップな感覚とドドドドなエレクトロ・リズム、ノイジーなサンプリングを狂人的なスピーディさで畳み掛ける勢いがカッコ良い。
 ヒップホップな感性やリズムの取り方のみならず曲の構成まで、同年にリリースされたハービー・ハンコックの『Rock It』(スクラッチやり過ぎなアレ)と共通点が多く、非常に興味深く感じています。
 アンダーグラウンド音楽界の怪物とジャズ・ピアニストが同じ方向に向かっていたのかと。
 あと、当時は重く聴こえていた音なのに、今聴くと軽く聴こえることがとても面白く感じます。