本日の1枚 Scat at the Break of Dawn

kobbanova2005-09-10

 ついでに今日もジョン・ルシアン。おそらく彼の最高傑作はこのアルバムでしょう。
 
 Jon Lucien / Mind's Eye (LP)
 これは、一昨日に紹介した『Rashida』発表の翌年、'74年にリリースされたアルバムです。
 『Rashida』を紹介したとき、「ジャズ・ファンクなリズム感に爽やかなブラジリアン・フレイヴァーを加えた、暑苦しくないサマー・ブリージンな楽曲」と書きました。このアルバムでも、ブラジル〜ソウル〜ジャズと、あまり何も考えずに、とりあえずいいとこ取りしました、て感じのミクスチャー感覚が素敵です。
 
 ジャケはかなり暑苦しいですが、サウンドはかなりクール。ブラジルのどこかヒンヤリと乾いたクールさ、ジャズのカッコ良いヒップなクールさ、その両方の意味でクールな音。
 基本的には前作と同路線上にあるものの、アフロな感性が爆発しているかのようにグルーヴ感が増しています。アップテンポな曲も多いしね。
 
 オープニングの『A Sunny Day』は、いきなりの高速なブラジリアン・フュージョン。パーカッションの転がりと軽やかなエレピ、そして思い切りなスキャットがたまらなくクールです。オッサンのスキャットがこんなに爽やかなのもすごいぞ。
 続く『A Prayer For Peace』は、男女ヴォーカルで歌いあげるメロウ・ソウル。ブラジリアンなフィーリングも其処彼処に感じられます。
 ボサな『Adoration』、小気味良くファンキーな『So Little Time』を挟み、このアルバムの目玉である『Listen Love』へ。この曲も1曲目と同様の高速なブラジリアン・フュージョンで、これまた軽やかなエレピが心地良いのです。激しく打ち鳴らされるコンガなど、ファンキーなリズム隊の活躍にも関わらず、どこか「静寂」な雰囲気に包まれていることに不思議な魅力を感じます。
 B面に移って、『The Pleasure Of Your Garden』はファニーなボサ曲。間の抜けた音とスキャットに思わず頬が緩みます。
 なぜかいきなりファンクな『The Ghetto Song』は、コーラスとホーン・セクションの絡みがカッコ良い。
 ラストの『When TheMorning Comes』は、美しいストリングスのアレンジやじんわりと柔らかなグルーヴ感が僕の好みのタイプなんです。
 
 とりあえず、2枚とも持ってない方はコレを買っときましょう。

I Am Now / Mind's Eye / Rashida

I Am Now / Mind's Eye / Rashida