第13回セレクト合戦 勝手にレビュー としひこさん編

 
 お題セレクト、としひこさんのテーマは「American City Suite」。
 なんとFURUさんと同じく、アメリカの地名をテーマにした選曲されています。
 
 穏やかでオールド・タイミーな選曲で、派手さはないけれど、聴けば聴くほどに味わいが深まっていきます。
 朝に差し込む日の光を感じるセレクトですが、きよさんの「Sunshine」とは少し趣が違い、ぼんやりとした朝モヤのなかにキラキラと光が反射するような雰囲気。
 
 同じテーマながらアメリカらしいゴージャス感が強かったFURUさんのセレクトと聴き比べると面白いですね。
 Jan & Deanの『Surf Cit』を引用したジャケも素敵でした。
 
 収録されている曲目は、
 01. Michael Nesmith & The First National Band / Texas Morning
 02. Noel Harrison / Santa Monica Pier
 03. Hall & Oates / Las Vegas Turnaround
 04. Bobby Sherman / Seattle
 05. The Everly Brothers / Illinois
 06. Randy Newman / Dayton, Ohio - 1903
 07. Jan & Dean / Philadelphia, P.A
 08. Brendan Benson / House in Virginia
 09. Beau Brummels / Old Kentucky Home
 10. Doc Watson / Nashville Blues
 11. The Brothers Four / Wichita Lineman
 12. Michael Murtin Murphy / Texas Morning
 
 (01) は、マイケル・マーフィーのカヴァーとのこと。渋みのなかに優しさあふれる、穏やかなカントリー・フォーク調の作品。いきなり、じーんときますね。
 (02) は、これも穏やかなカントリー・フォークだなぁ、と思いきや、突然ワルツに転調。他の皆さんが指摘されてるように、ニルソンぽいですね。これは欲しい。
 (03) は、穏やかで軽やかなリズムに、じんわりと響くエレピの音色がたまらない、アコースティック・ソウルの名曲ですね。これは買わなきゃ。
 (04) は、軽快なリズムとホーンに後押しされて、若々しさを取り戻した渋声な男、て感想を持ってたんですが、曲目見たらアイドル歌手じゃないですか!
 (05) は、流麗なピアノのアルペジオと美しいハーミニーで始める導入部で、すっかり参ってしまいました。まろやかな美しさが光るソフト・ロック系の作品で、これが一番のお気に入りです。
 (06) は、ソフトにブルース調なバラード。ちょっと、ひと呼吸。
 (07) は、そしていきなりのサーフ・ロック。この展開が素敵すぎ。歌手の名前とヒット曲を編み込んだ歌詞とメロディにニンマリしてしまいます。楽しい夏の盛り上がり。
 (08) は、地味に展開していきますが、サビに近づくにつれメロディの美しさが際立っていく曲。安売りコーナー常連のSSWらしいので、今度探してみます。
 (09) は、バーバンクの礎とまで言われているアルバムから。カントリーぽいフォーク・ロックなんですが、薄っすらとサイケ感も漂ってくる逸品です。
 (10) は、カントリー・ギターの名手。何気にすっごいテクニックを披露するピッキングもいいですが、気の抜けた渋い歌声も素敵です。
 (11) は、ジミー・ウェッブの名曲。歌声が前面に押し出されてますが、背後で静かに広がっていくストリングスなどのアレンジの美しさといったら! ちなみに、地理に疎い僕は「Wichita」が地名だと知りませんでした。お恥ずかしい。
 (12) は、1曲目にリターン。この展開は面白いですね。本人のヴァージョンとのことですが、1曲目よりも繊細で、またモヤがかかってるようで、まさに朝が似合う音楽です。
 
 ↓としひこさん本人の解説はこちら
 http://somewhere.babyblue.jp/archives/2005/09/american_city_s.html
 
 *[漁盤]22日の収穫 その6
 残りはすべて新譜(再発)。特に安いわけでもないし(日本盤もあり)、わざわざ出張先で買って帰ることもなかったと反省しております(苦笑)
 
 ・ Sebastiao Tapajos, Maria Nazareth, Arnaldo Henriques / Tap (LP) \2,195
 アルゼンチン産のブラジリアン・サウンド。高速リズムに穏やかな男女ヴォーカルの掛け合いが素敵な例のアレ『Sambachiana』を収録。
 ・ Mario Castro-Neves / Stop, Look & Listen (LP) \2,940
 かなりセルメン&ブラジル'66ぽい雰囲気の音と女性ヴォーカル。スティーヴィー・ワンダーなどをカヴァーしてます。
 ・ Salinas / Atlantis (LP) \2,300
 30名以上のオーケストラで演奏するジャズ・ファンク。壮大なストリングスの響きにグッときます。やはり、大人数ものは迫力ありますね。
 
  
 
 ・ Newban / Newban (LP) \1,490
 アトランティック・スターの前身グループ。ジャジーですがディスコしてて好きなタイプ。Taj Mahalのカヴァーが逸品です。
 ・ McNeal & Niles / Thrust (LP) \2,299
 スパイシーなインスト・ジャズ・ファンク。ムーグをフィーチャーしたヘンテコなディスコ曲がなんだか凄い。