本日の1枚 ソフト・ロック名盤?

 なぜかレコ屋ではソフト・ロックと紹介されているバッキンガムズですが、その実態はブラス・ロックなバンドであります。
 
 The Buckinghams / Mercy, Mercy, Mercy (CD)

Mercy Mercy Mercy: A Collection

Mercy Mercy Mercy: A Collection

 これはバッキンガムズのシングル曲を中心に集めたベスト盤。
 アルバムではバリバリに重厚なブラス・サウンドを演奏しているんですが、シングルはかなりポップなアレンジに作られています。なので、ソフト・ロッキンな曲を求めているのであれば、このベスト盤を聴くのがベターでしょう。
 
 1曲目の『Kind Of A Drag』のイントロから、ハッピーなホーンの音色が弾けています。オルガンの音色とかに微妙なサイケさが感じられるものの、とにかくポップなアレンジはとても耳に馴染みやすい。
 今回のセレクトでFinylさんが収録したビートルズのカヴァー『I Call Your Name』でもパンチの効いたブラス・ロックが楽しめますが、ホリーズのカヴァー『I've Been Wrong Before』でのガレージぽさ+黒さがモッズ系な音をしてて、この若々しい爆発力がとにかくカッコ良いんです。
 ソフト・ロックとしては『Don't You Care』が最高。柔らかな導入部からメロディが疾走していき、ブラスがグルーヴィに重なっていく盛り上がり感が素敵すぎます。普通にポップなメロディが綺麗な『Susan』や『Where Did You Come From』もソフロ佳曲。
 タイトル曲『Mercy, Mercy, Mercy』は、なぜかメロウ・ソウルな楽曲。ファンキーなホーンとグルーヴィなエレピ、いかにもブルーアイドでソウルフルな歌声がちょっぴり微笑ましくもカッコ良い。