本日の1枚 ピロスエの輝きをもう1度
久々に広末涼子の声を聴いて、思わずこの盤をレコ棚から引っ張り出しました。
アイドルのリミックス盤て好きなんですよ。くだらない企画だとは思うんですけどね、ま、好きだから仕方ない。
広末涼子 / RH Remix (CD)
- アーティスト: 広末涼子,岡本真夜,竹内まりや,佐藤研二,會田茂一,岸田繁,SPANOVA,STEREOLAB
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2001/08/29
- メディア: CD
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アイドルのリミックス盤というと、ノリのいいダンス・ミュージックに料理するパターンが多いですよね。ところがこの盤、そうじゃないんです。当時旺盛を極めていたポスト・ロックな雰囲気で統一されていて、かなり異色なリミックス盤に仕上がっています。
リミキサーに参加しているのは、エルマロの會田茂一、くるりの岸田繁、スパノヴァなど。そしてそして、なんとステレオラブも参加しています。
ポスト・ロックとアイドル・ポップスの交わり。これがまた相性が悪い!
お互いの長所を否定しあってるような、なんとも後味の悪い違和感が残ります。
広末側のファンにも、リミキサー側のファンにも、決して認められないでしょう。
しかしながら、僕はこの中途半端さ、噛み合わない歯がゆさがとても好きなんです。
そもそも、リミックスという行為は既存曲の解体から始まるはず。全くの別視点で組み立て直した結果から生まれるキメラな異様さ、珍妙さこそがリミックスの醍醐味だと思うんですよ。
白眉は、岸田繁による『大スキ!』でしょう。どんよりボワーンとしたややダウナー系のトラックに、「うーっ!」て広末の掛け声がコダマする。真夜中の海面に原色の水死体が浮かび上がるような、この居心地の悪い穏やかさを、なぜか何度も味わいたいと思ってしまいます。
ステレオラブは『明日へ』をきっちりと聴けるポップさで仕上げています。不思議ちゃんなアイドル・ポップスて感じで好いのですが、ちょっとクセが無さすぎかな。