本日の1本 燃えよ!食人拳

 11月にスタートしたスカパーの「HORROR TV」、なんとなく無関心だったのですが放送内容を見てみるとなかなか素敵な作品名が並んでいます。
 コフィン・ジョーの作品を連続放映したり、いやぁ、これは見ごたえありそう。ちゃんとお金払って契約いたしましょう。
 
 さて、今年のお正月は時間が無くって、観た映画(DVD)はこれだけでした。

 中国政府の密偵「九九九」は、盗賊を逮捕するため離れ小島にある小さな村を訪れた。しかしその村は、流れ着いた旅人を屠殺して食料にする食人族の村だったのだ、、、て、ストーリーです。
 
 カンフー×食人ホラー。これが面白くないワケ無いじゃないですか。
 監督はなんと、『男たちの挽歌』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』を手掛けたツイ・ハーク。監督デビューまもない頃の作品のようですが、それだけでなんか凄いですね。
 オープニング直後の、土人マスクを被って包丁を振りかざす集団にもう参りました。大ノコギリで身体を真っ2つに切断したり、意味無く残虐でかつアホっぽいスプラッタ・シーンにため息モノです。いやぁ、分かってらっしゃる。
 主人公や敵リーダーを含め、登場人物全員がおとぼけキャラなのも素敵です。ボケボケなリズム感覚でホノボノと展開するドス黒いストーリーの妙が素晴らしすぎ。
 もちろんカンフー・アクションも本格的で、ゆるいストーリーのリズムに活力を与えています。
 
 (ここからややネタバレ。これから観る人は注意)
 ありがちなパターンとはいえ、ラストのオチも素晴らしいものでした。村を率いている男に捕まっていた女性を救出して一緒に村から脱出するのですが、肉を差し出されても「私はハートが欲しい」と食人を拒否していた食人村の女性、実は「心臓」が大好物だったというオチなんです。追ってきた村の男の胸を掻っ捌いて心臓をわしづかみにし、血飛沫を浴びながらチャーミングな笑顔を見せる女性がとても素敵でした。