本日の1枚 全然GSじゃないよね
つい先日、「昭和元禄東京ガレージ」てコンピ・シリーズがリリースされました。GSの再発盤・編集盤てすぐに廃盤になっちゃうけど、すぐまた別物がリリースされますね。
今回のセレクトでSHINODAさんが選んだ木の実ナナ、伊東きよ子の再発CDはまだ購入できるようです。
伊東きよ子&ザ・ハプニング・フォー / オー・ガンソ (CD)
PARADEというレーベルをご存知でしょうか。渡辺音楽出版と新星堂のコラボレーションによって誕生したレーベルで、「フラワー・ポップス」や「ガール・グループ天国」など、独自の視点で編集した和ものコンピなどをリリースしています。
そのPARADEから5年ほど前に「Cutie Girl with GS」てシリーズ(と言っても3枚だけ)がリリースされました。そのなかの1枚がこれ。
フォーク系のシンガーとして活躍した伊東きよ子の実質上のデビュー・アルバムで、カヴァー曲を中心に録音されています。面白いのはそのカヴァー・センス。タイトル曲はもちろんアストラッド・ジルベルトの曲ですが、その他にもビートルズ、ビー・ジーズ、フランシス・レイ、さらにはルー・ドナルドソンの『アリゲーター・ブーガルー』を取り上げています。
演奏を担当したのは、GSのみならず演歌からプログレまで幅広い音楽をこなすザ・ハプニング・フォー。伊東きよ子のソフトな歌声を引き立てるためか、カクテル・ラウンジ系のユルい音で演奏しています。
小洒落た柔らかな音だけどちょっとラウンジーすぎて、また彼女の歌声がムーディであるため、なんか胡散臭い異国情緒が漂ってるんですね。SHINODAさんのセレクト同様、エキゾチック・ジャパンな雰囲気。
01.『花のマドンナ』は筒美京平作品。フラワーなポップさが普通に好いです。小さい音量で密かに唸りをあげているベースがナイス。
03.『アリゲーター・ブーガルー』はルー・ドナルドソンのカヴァー。しかも日本語詞で、ラウンジ感覚いっぱいのGS調に。いきなりのファズギターでガツンとやられます。ユルいグルーヴィさも素敵で、この曲がこの再発盤の目玉でしょうね。
07.『花の首飾り』はザ・タイガースの名曲カヴァー。SHINODAさんの感想にも書きましたが、ムーディさが異色です。
08.『男と女』はもちろんフランシス・レイのあの曲。オリジナルのイメージどおりにソフトなアレンジ。
09.『レディ・マドンナ』はビートルズのカヴァー。軽やかなガレージ・ポップ調の演奏にコブシを利かせた歌声が珍妙ながらもカッコ良いです。お気に入り。
12.『オー・ガンソ』はアストラッド・ジルベルトのカヴァー。クールなボサ・ジャズ風の演奏に、ちょっぴり場末な雰囲気もあるパヤパヤ・スキャットがふわふわと彷徨い続けます。これも素敵。