本日の1枚 「セニョール・ココナッツ」つながり

 せっかくなので、先月末にリリースされたYMOカヴァー・アルバムも紹介。
 
 Senor Coconut And His Orchestra / Yellow Fever! (CD)

プレイズYMO(初回限定生産)

プレイズYMO(初回限定生産)

 
 昨日紹介したクラフトワークのラテン・カヴァー・アルバムの日本盤に、細野晴臣氏が「次はYMOのカヴァーを」とのコメントを寄せています。
 それがついに実現してしまいました。全曲YMOのカヴァー・アルバムです。
 前作『フィエスタ・ソングズ』では、ディープ・パープルやマイケル・ジャクソンなどヒット曲を続々カヴァーしてましたが、面白さだけで何かが不足していたかのように思えます。その何かをこのYMOカヴァーでまた取り戻しましたね。
 
 とりあえずこのアルバムには豪華なゲスト陣が参加しています。まず、細野晴臣高橋幸宏坂本龍一の3人。ハハ。さらに、マウス・オン・マーズテイ・トウワ、シュナイダーTMなども参加しています。
 すべてのカヴァー曲の間にインタールードが挿入されているのですが、ほとんどのゲストはそのインタールードに参加。おいおい、そっちかよ、て感じ。もちろんYMOの3人は本題のカヴァー曲の方に参加しております。
 
 そもそも初期YMOは音楽的にも非常にモンドな存在でありました。エキゾな電子音楽という趣でしたから。テクノ・ポップなサウンドの中に流れていた異国情緒が、そのままこのラテン・カヴァー集に引き継がれている感じで、こりゃもうクラフトワークのカヴァー集以上の完成度の高さを誇っております。
 
 02.『東風』には、坂本龍一がエレピで参加。アップテンポなリズムで、メロディはホーンでファンキーに綴っています。
 04.『Limbo』には、高橋幸宏がヴォーカルで参加。ソンからマンボに展開していくリズムの緩急に合わせ、細かい部分までヴィブラフォンなどの楽器で再現しているアレンジが素晴らしいです。
 10.『Simoon』には、マウス・オン・マーズが参加。YMOの原点に回帰したかのようなエキゾチック・サウンドに仕上げています。
 12.『Tha Madmen』には、細野晴臣がヴォーカルで参加。細野氏のリズム感覚をラテン・パーカッションで見事に演奏し、全く違和感なく聴けます。
 16.『Rydeen』は、ものすごくゆったりとしたテンポで始まります。これは気色悪い。と思ったら、突如スピードが上がり小粋なメレンゲ風に。リズムのタメとか、ノリがとにかく楽しい。
 18.『Ongaku』は、サックス中心でムーディなラテン歌謡風に。
 20.『Firecracker』には、奥さんのリサがムーグで参加。演奏はしっかりとラテン・ジャズしていて、これは普通にカッコ良いですな。