本日の1本

 ・ アタック・オブ・ザ・ジャイアントケーキ

アタック・オブ・ザ・ジャイアントケーキ [DVD]

アタック・オブ・ザ・ジャイアントケーキ [DVD]

 
 とある家庭で作られたムサカ(ギリシャの伝統料理)が、UFOからの怪光線により宇宙人と合体、巨大化してアテネの町を襲う、、、というストーリーです。
 
 ・・・。
 本国のギリシャで大ヒット(本当?)したパニック・コメディです。
 ま、上記のようにくだらないストーリーではありますが、そこに仮面夫婦の愛憎、同性愛者の純愛など、決して簡単には笑えない人間ドラマを絡めています。少なくとも子供向けではなく、一体どんな観客を想定しているのか全然理解できませんね。
 
 それにしても、まずタイトルが酷い。巨大化するのは「ムサカ」(じゃがいもと茄子を使ったラザニアのような料理)なんですが、その料理が日本で知名度が低いとはいえ、邦題を「ケーキ」と言い切るところが素晴らしいですね。
 
 そして特撮、演出も酷い。放電しながら物凄くゆっくりと動く巨大ムサカの前を逃げ惑い、殺されていく人々。どう考えても人のスピードのほうが速いんですが、逃げ切れないなんて、、、。
 そんな激ショボな特撮(?)にも関わらず、ムサカに殺された人々の死体映像だけは妙にリアルです。凄惨な死体の山は戦争映画のような趣。
 
 アテネの住民たちはパニック状態に陥り、八百屋で茄子を見ただけでも悲鳴をあげて走り去ります。そのへんのギャグがなんかこう雰囲気が暗くて、素直に笑えないのもまたいい感じです。 
 
 かなりどうしようもない作品ですが、登場キャラクターはなかなか魅力的です。
 ディバイン系の巨漢の女装ゲイ。
 セクシーなポーズをきめながら会話する、半裸の美女な宇宙人。
 ま、それだけなんですけどね。
 
 あと、全編にわたり挿入されるディスコ音楽もいいですね。ラストはシック『グッド・タイムス』でした。