本日の1枚

 Pit Er Pat / Emergency (CD)

Emergency

Emergency

 
 シカゴのアート・ポップ系な3人組トリオ・バンド。2004年にリリースされたミニ・アルバム。
 レコ屋の評などにはスラップ・ハッピーを想起させるとか紹介されてますが、80's ポスト・パンクな雰囲気を強く感じます。ポップ・グループ一派の作品と言われても信じてしまいそう。
 キーボード、ベース、ドラムの3人編成で、優しげなようでトゲトゲしさと理知的な響きをもつ女性ヴォーカルは、なるほどダグマー・クラウゼぽくもあります。
 
 そんなトゲトゲしさやエクスペリメンタルさを下地にしながら、キーボードの柔らかな感触でコーティングしたサウンドは、どことなくステレオラブっぽいですね。そして奔放でどこか可愛いらしくもある音作りは、どこかチャイルディッシュでもあります。
 
 01. 『Bog Man』は、オルガンの穏やかな音色の使い方がステレオラブ系。でも小刻みな振動にストイックさを感じます。
 02. 『Emergency』は、これも穏やかな音とそして儚げな歌声ながら、ポップ・グループ的な爆発的な怒りの躍動感をも持ち合わせています。ポスト・ロック以降のシカゴ音響派の流れに飽き飽きしている人にも聴いてもらいたい逸品です。