本日の1枚

 Bobby Montez / Jungle Fantastique! (LP)

Jungle Fantastique

Jungle Fantastique

 
 米国の西海岸を中心に活動していたラテン・ヴィブラフォン奏者、ボビー・モンテスが'58年にリリースしたアルバム。
 クラブ・ジャズ系のDJからラテン・ジャズ名盤として評価の高い盤ですが、ヴァイブの音色が醸し出す特有のイージーな空気感の所為か、真夏の夜にプールサイドでのんびり聴きたいような感想をもってます。
 
 アフロなリズム感覚を下地にしたラテン・ジャズの演奏、当然とても熱い演奏なんですが、印象はとてもクールなんですね。クールというか、涼しげ。
 激情的で溢れる硬質な演奏のデスカルガも、ヴァイブの音色ですっと冷やされ、柔らかさが加えられています。その適度なクールさがカッコ良い。
 
 名曲と名高い『African Fantasy』は、アフロ・キューバンなリズムにラテンの熱気溢れるピアノ、クールなヴァイブが身体を揺らすラテン・ジャズ。結構シンプルなスタイルながら、音が重層的、立体的に聴こえるのはアレンジの妙によるものでしょう。
 呑気な雰囲気の中にヒリヒリした緊張感が顔を見せる、アルバム唯一のヴォーカル曲『Cha Cha Cha Por Nueva York』がお気に入りです。