本日の1枚

 小山絵里奈 / VIVIDROP (CD)

VIVIDROP

VIVIDROP

 デモテープを聴いて坂本龍一がぶったまげた、という逸話が売り出し文句の女性クリエイター。
 その坂本龍一がエグゼクティヴ・プロデューサーを務め、さらにZAKや竹村延和などが参加しています。
 例えばビョーク的であったり、UA嶺川貴子や西山豊乃やツジコノリコ的であったり、どこかで聴いたような音や歌が続き、正直「ぶったまげる」ほどのインパクトはありませんでしたが、それでも楽曲の質の高さは間違いありません。
 どこかで聴いたような音も、和風テイストな曲自体のノスタルジックさもあって、懐かしげに優しく、でもどこか怖ろしく耳に響きます。
 
 オープニング『驟雨』は、歌い初めがモロにツジコノリコ風。和風テイストな不思議系の曲は悪くない。
 続く『此花咲耶姫』は、その路線のままドンヨリと広がりのある空間的な音が心地良く、でもちょっと生理的に気持ち悪い。この感覚はちょっと昔のビョーク的で素敵ですね。
 『ハ→ト』は、ピコピコした音がキュートなエレクトロ・ポップ。
 『ピエロ』は、単調に繰り返される電子音の響きがなんともアーシーで心地良い。
 トイ・ポップ風にカヴァーした『My Favorite Things』の不思議加減も、エキゾチックぽくなく自然と琴の音色が響く『花唄』も、わざとらしさが無くて好い。
 ハイラマズ風のイントロからややエキゾ&アンビエントに展開していく『音里』は、このアルバム一番のお気に入りのファンタジックなエレクトロ・ポップ。