第18回セレクト合戦 勝手にレビュー 風来坊さん編
音楽は好きだけどクラシックは聴かない、という人は多いんじゃないかと思います。僕もその1人。
やっぱ、小・中学校の音楽の授業に問題があったんじゃないのかなぁ、とか思います。
「楽しめる」もんじゃなかったしね。
さて、本日は風来坊さんのセレクト感想です。
のだめなジャケで予想したとおり、オール・クラシックな選曲です。
なので、ちょっと身構えて聴き始めましたが、1曲目の『ラプソディ・イン・ブルー』のポップさにひと安心。クラシック無知な人間でも十分に楽しめるよう配慮(?)されてますね。
全体的に非常に複雑な構成で、かつポップさ、ロックさを感じる曲ばかり。
ほっこり温まるというよりは、カーッと温度が上昇したり、またちょっと引いたり、て繰り返しのホットさを感じました。
収録されている曲目は、
01. ジョージ・ガーシュイン『ラプソディ・イン・ブルー(ピアニカ・ヴァージョン)』演奏:のだめオーケストラ
02. ウィリアム・グラント・スティル『交響曲第1番“アフロ=アメリカン”より第3楽章』演奏:ジョン・イェーター指揮/フォート・スミス交響楽団
03. パーシー・グレインジャー『カントリー・ガーデンズ〜イングランドのモリス・ダンスの調べ』演奏:サイモン・ラトル指揮/バーミンガム市交響楽団
04. アロン・コープランド『組曲「ロデオ」より“ホウダウン”』演奏:レナード・バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルハーモニー
05. アルベルト・ヒナステラ『ピアノ協奏曲第1番第3楽章“トッカータ”』演奏:エンリケ・バティス指揮/メキシコ市立フィルハーモニー管弦楽団,ピアノ/オスカー・タラーゴ
06. シルベストレ・レヴェルタス『センセマヤ』演奏:エンリケ・バリオス指揮/メキシコ・アグアスカリエンテス交響楽団
07. アストル・ピアソラ『タンティ・アニ・プリマ 』演奏:大萩康司(ギター)、チョウ・チン(チェロ)
08. コダーイ・ゾルターン『組曲「ハーリ・ヤーノシュ」より“ウィーンの音楽時計”』演奏:アンタル・ドラティ指揮/フィルハーモニア・フンガリア
09. アラム・ハチャトゥリアン『組曲「マスカレード」より“マズルカ”』演奏:ロリス・チェクナヴァリオン指揮/アルメニアン・フィルハーモニック・オーケストラ
10. ダリウス・ミヨー『組曲「スカラムーシュ」より“ブラジレイラ”』演奏:ミシェル・ベロフ(ピアノ)、ジャン=フィリップ・コラール(ピアノ)
11. クーネ『エレベーター・ミュージック』演奏:湯浅卓雄指揮/シドニー交響楽団
12. フランク・ザッパ『ピーチズ・エン・レガリア』演奏:アンサンブル・モデルン
曲目ごとの感想です。
(01) は、あのメロディをコミカルに、また勇ましく。とっつきやすいポップな質感に、まずは安心という感じでスタート。
(02) は、曲名を見てからですが、なんとなく民族的な雄大さを感じたような気がしました。
(03) は、英国の田園風景なのどかさに、変則的ながら小気味良く跳ねるリズム感がとてもキュートです。
(04) は、ELPの元ネタ。ドーンと流されていく勢いがカッコ良い。
(05) は、続いてELPの元ネタ。不気味な迫力はELPを凌ぎますね。ホラー・サスペンスな勢いに圧倒されました。
(06) は、これまた不穏な空気感に悪い胸騒ぎがするような印象を受けるのは、随所に挿入される不安定な民族リズムの所為か。
(07) は、チェロの音色が美しく響きます。これまでの怒涛の流れにホッとひと息。
(08) は、始まりの鐘の音からつかみはOK。温まる感ではこれがベストでした。
(09) は、優雅にスウィングする小粋さが素敵。
(10) は、これも小粋に跳ね回るピアノが素敵ですね。可愛らしい印象を受ける跳ね具合です。
(11) は、「走れ!」て追い立てられるような疾走感に盛り上がります。
(12) は、ラストはザッパ! 優雅さと下世話さ、ちょっと捻れたポップ感が素晴らしい!
もちろん手持ちは無し、特にお気に入りは(05)です。
↓風来坊さん本人の解説はこちら
http://d.hatena.ne.jp/huraibou/20020108