本日の1枚

 Smoosh / She Like Electric (CD)

She Like Electric

She Like Electric

 
 シアトルのロリータ姉妹ユニット。このアルバムがリリースされた2004年当時、12歳と10歳だったそうで。
 小学生姉妹のユニット、てことでキュートな楽曲を想像したら案外そうでもなく、ちょっとダークでパンキッシュな雰囲気に軽い驚き。ま、でもやっぱ可愛らしいんですけどね。 
 
 姉オウシーはキーボードとヴォーカル、妹クロエはドラムを担当。
 小学生にしては演奏は上手い、んですけど、それはそれ。そりゃプロと比べれば演奏も歌声も拙い。しかしながら、そこから発せられるローファイな感覚がとっても熱いんです。
 そもそもキーボードとドラムだけという構成が、そのローファイな空気を加熱してますし。
 
 シアトルの音楽といえばやっぱニルヴァーナとかがまず頭に浮かびますが、なんか小学生にもその影を落としているようです。
 単にグランジの系譜にある音楽というだけでなく、なんか子供なのに陰鬱な雰囲気がそこはかとなく滲み出てるんですね。
 
 でもメロディとかは結構ポップだし、本当にこの子たちが全部作曲してるのなら物凄い才能だと思います。
 「小学生姉妹の」て謳い文句とはかけ離れた剥き出しの音楽がここにあります。
 
 オープニング『Massive Cure』のイントロでまずガツーンとやられました。呪術的なリズムと陰鬱でパンキッシュなフレーズ。間の取り方に凄まじいセンスを感じます。とっても可愛いのに投げやりな歌声にもしびれます。
 グルーヴィなリズムにピアノが跳ねる『It's Cold』、ラップがキュートすぎる『Rad』(一番のお気に入り!)、ディスコ・パンクな『La Pump』や『Bottlenose』とか、結構曲調もバラエティに富んでて、トータルとしても十分聴けるアルバムなんです。
 
 将来が楽しみ、と言いたいけど、大きくなったら魅力が無くなっちゃう気がしますね、やっぱり。
 
 
 アルバム2曲目の『It's Cold』