本日の1枚

 土岐麻子 / Summerin' (CD)

Summerin'

Summerin'

 新譜はほとんどカヴァー集なアルバムでした。すっかりカヴァーの人というイメージが定着しちゃってますね。前作「Talkin'」でのオリジナル曲が素晴らしいものばかりだったので、やや残念なところです。
 路線は前作のまま、シティ・ポップな楽曲がずらりと並びます。
 どの曲もちょいと洒落たメロウ・グルーヴィさがすっごく心地良いんですけど、前作の『モンスターを飼い馴らせ』みたいに、これだ!てガツンとくる曲が無かったのがやや残念なところです。
 と書くと気に入ってないみたいですが、とても良質のカヴァー集なのは間違いないですよ。もちろん気に入ってます。
 
 オープニングの『LIBERTINE』はオリジナル曲で、アレンジはノーナ・リーヴスの人。ライト・メロウな曲調ですが、微細に転調していくアレンジが素晴らしくって、本アルバムではこれが一番のお気に入りです。
 もう1曲のオリジナル『smilin'』も、軽やかなエレピの音色が心地良くって、これが2番目のお気に入り。
 さて、『サマーヌード』は、真心ブラザーズのカヴァー。ウキウキなサンバ・リズムにブラジリアン・フィーリングのメロウさが柔らかにグルーヴィで心地良い。
 『小麦色のマーメイド』は、松田聖子のカヴァー。サマー・ブリージンなライト・メロウさがこれまた心地良い。海岸沿いをドライブしながら聴きたい曲。
 『Reach Out, I'll Be There』は、フォー・トップスのカヴァー。リズムはモータウンしてますが、ちょっぴりハードなギターの味付けとかが面白い。歌声もなんだかモータウン風ですね。
 『La Isla Bonita』は、マドンナのカヴァー。ムーディなラテン・ジャズ風に。妖しさがまた好し。
 『都会』は、大貫妙子のカヴァー。正直、こりゃちょっと微妙。
 
 次作のオリジナル・アルバムに大いに期待!