本日の1枚

 The Nickel Bag / Doing Their Love Thing (LP)
 
 
 カーマ・スートラ発のソフト・サイケなグループ。
 レコ屋の評には「ストロベリー・アラーム・クロック系」と書いてあったが、そりゃちょっと違うと思う。
 重厚なコーラスを前面に出したソフト・ロッキンな楽曲が多いながら、ヘンな電子音やシタールの音色などで素敵な味付けをしています。
 そのプロデュース&アレンジは Larry Fallon て人。検索してみたら、ハースのアルバム「ハース・フロム・アース」でアレンジを担当していた人のようです。
 珍盤ファンにはオススメですね。
 
 オープニングの『How Do I Love Thee』から、不必要ともいえるボンヤリしたエフェクトが全体を覆い尽くします。
 ベースのうねりが腹にまで響く『Lover's Litany』、シャウトするヴォーカルに比しイージー・リスニングな音の『Shall I Compare Thee』、白人ファンクな『She Was A Phantom Of Delight』など、いまひとつ何をしたいのか分からないサイケさが素敵だ。
 シタールの音色が印象的な『She Walks On Beauty』はオススメの1曲。へたくそグルーヴィなベースとウネウネしたシタール、無理やりサイケなギターの音色もまた好し。ラストの昇天盛り上がりもまた無理やり感がなんともはや。
 もひとつシタールが泣きのメロディを奏でる『Tears, Idle Tears』は、コロコロと姿を変えるアレンジが間抜けにカッコ良い。
 そして本アルバムの目玉は『God's Gift』。弾むリズムにメロディのキャッチーさ、コーラスの美しさ、微サイケなグルーヴ感とかがなかなか素敵なソフト・ロック楽曲。
 そしてラストの『Rubiyat Of Omar Khayyan』は、不協和音の中を電子音が飛び回るへんてこアヴァンギャルドな怪作。