本日の1枚

 Margo Guryan / Take A Picture (CD)

テイク・ア・ピクチャー(紙ジャケット仕様)

テイク・ア・ピクチャー(紙ジャケット仕様)

 
 ウィスパー・ヴォイスなSSW、マーゴ・ガーヤンが1968年にリリースした唯一のアルバム。
 ソフト・ロック名盤として知られる本作、実はアナログ再発を持ってるんですけど、ボーナス・トラック欲しさに紙ジャケCDを購入してしまいました。
 
 で、久しぶりに聴いてみると、ソフト・ロックというよりもサイケ色の強さに軽い衝撃を受けました。
 大学でジャズを学んだという彼女、楽曲はブルースやジャズ寄りのかなりドス黒いサウンドが中心。その黒さの中に、どサイケにカラフルな彩りが施されています。
 これ、全曲オリジナルなんですよね。
 
 そして、そんな楽曲の素晴らしさを感じさせないほどの、激キュートなウィスパー・ヴォイス。
 ちょいとハスキーめなんですが、かすれ具合がまた素敵です。
 
 オープニングの『Sunday Moring』はスパンキー&アワ・ギャングのヒット曲ですが、実はこれ、作者は彼女なんですね。ブルースな音とキュートな歌声との相性も好いですね。
 続く『Sun』は、シタールの音色も素敵なソフト・サイケな楽曲。この流れでもうガツーンとやられますね。
 『Love Songs』は、クロディーヌ・ロンジェみたいなロリ声ソフト・ロック
 『Don't Go Away』は、足もとがふらつくようなリズムによるグルーヴ感とヘロヘロしたアレンジが素敵。そんなサイケなカッコ良さを感じさせないキュートな歌声がまたいいんだあぁ。
 タイトル曲の『Take A Picture』は、ストリングスなどのゴージャスなアレンジがソフト・ロッキン。
 『What Can I Give You』は、跳ねるような躍動感にウキウキな楽曲。歌声もキュートに跳ねていて、ソフロ・ファンとしてはこういうのがやっぱいいですね。
 穏やかなフォーキー・ポップ『Think Of Rain』、バッハ「主よ人の望みの喜びよ」を背後に響かせる『Some One I Know』なんかをはさみ、ラストはどサイケな『Love』で強烈な締め括り。ウニャウニャと変わっていく曲調と、グルーヴィ・ロックなリズムに何事もないかのようなキュートな歌声。まさに万華鏡のようなカラフルさで、単なるソフト・ロック・アルバムに終わらせません。
 
 紙ジャケ盤にはボーナス・トラックとして3曲のデモ曲を収録。
 メロウ・グルーヴィなエレピが印象的な『Timothy Gone』、重たい空気感がのしかかるサイケ・ポップ『Come To Softly』とか、これまた素晴らしい楽曲でした。
 
 
 『Sunday Morning