本日の1枚

 Nirvana / Black Flower (CD)

Black Flower

Black Flower

 
 カート・コバーンのあのバンドではなく、英国のサイケ・ポップ・バンドの方です。
 これは、1969年にリリース予定だったサード・アルバム「To Markos III」にボートラ2曲を追加した再発CD。オリジナルはレーベル倒産のため、日の目を見ずに幻のアルバムとなっていたらしい。
 
 どの曲もドリーミーなシンフォニック・サイケ・ポップなんですが、ジャケからは想像もできない甘く美しいメロディが素敵で、やや陰鬱な雰囲気とともに、非常に英国的な耽美さを堪能できます。
 また、そのメロディの良さとストリングスなどの優美なアレンジのおかげか、「SOFT ROCK A to Z」でも紹介されており、ソフト・ロック・ファンにも人気のようです。
 ちなみにそのストリング・アレンジはトニー・ヴィスコンティが担当しています。
 
 オープニングの『The World Is Cold Without You』は、キラキラしたフォーキー・ポップが優雅なソフト・ロックにドドーンと展開していくアレンジが素敵。
 米国A&M作品のようなソフト・ロッキンなメロディ展開の『I Talk To My Room』、ストリングスがグルーヴィなリズムを刻むサイケ・ポップ『Christopher Lucifer』とか、良曲が続きます。
 白眉はレスリー・ダンカンをヴォーカルにフィーチャーした『Love Suite』。陰鬱で美しいジャジーなアレンジのサウンドを背景に、舌足らずのキュートな女性ヴォーカルがたまんないですね。
 
 とにかく、耽美なメロディ、アレンジと微妙なサイケ加減がとても素敵なポップ・アルバムですよ。