本日の1本 ボラット

 ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習

 
 カザフスタンのテレビレポーターであるボラットは、米国でインタビューを行いドキュメンタリーを制作する、という任務を受ける。ニューヨークに到着したボラットは、テレビで観た女優に恋をし、ロスで撮影している彼女に逢うために、インタビューを続けながら米国横断の旅に出る、、、というストーリー(?)です。
 
 ドキュメンタリー形式で制作されているものの、もちろんこれはニセモノ。でも、インタビューに応じる米国人ンは本物だと思って対応しています。ま、ドッキリ的なやつですね。
 
 異文化の素朴な疑問をぶつけることで米国の現実を浮かび上がらせる、というと聞こえはいいですが、実はもうただ単に馬鹿で下品な作品なのです。
 
 主演のサシャ・バロン・コーエンは英国のコメディアンなんですけど、自身がユダヤ系であり、やたらユダヤ差別ネタが登場します。
 特に素敵なのは、ガンショップで店主に「ユダヤ人を撃ち殺すにはどの銃がいいですか?」と質問したところ、「45口径がオススメですよ。」と普通に応じているシーン。これぞアメリカ、て感じでしょうか。
 
 差別ネタと下ネタが非常に多く、観ていて不快になるモノも多いので、正直期待していたほど面白いとは思いませんでしたが、保守系キリスト教団体の集会に参加するネタはとても興味深い。
 壇上の人々の話を聞いて、感極まって走り出したり、身体を痙攣させたり、どう見てもアブナイ新興宗教のイベントのようです。
 ただ、壇上で話しているのは州最高裁の判事だったり、議員だったり。
 「私の祖先はサルでもなく、オタマジャクシでもありません。」なんて進化論否定の演説にあわせ、観衆が珍妙な踊りをしながら盛り上がる様子はもう凄すぎ!
 これぞブッシュを支えた米国の現実なんだ、て実感できましたよ。