本日の1枚 Free Design

 The Free Design / Sing For Very Important People (CD)

子供たちの詩

子供たちの詩

 
 1970年にリリースされた5枚目のアルバム。
 子供向けの楽曲を集めた企画作品的な盤で、「子供たちの詩」という邦題がつけられています。
 
 素晴らしいコーラス、ハーモニーは他のアルバムと同様ですが、この盤ではバックの音が極力抑えられているようです。
 子供向けというコンセプトのためでしょうが、子供が喜びそうな楽しい音を散りばめる手法を取らずに、逆にシンプルな楽曲で勝負しているところに、なんかこう意気込みのようなモノを感じます。
 そんな音数の少ない演奏を背景に、浮かび上がる穏やかなハーモニーがやはり絶品。
 他のアルバムにも増して、純粋な清廉さに磨きがかけられているようです。
 
 収録曲にはメンバー兄妹の作品以外にも父の作品があったり、ファミリー・グループとしての家族愛が溢れてますね。アルバムのテーマにもまさにピッタリな雰囲気で。
 
 なんといってもお気に入りはセサミ・ストリートのテーマ曲のカヴァー。ちょっとジャズ系のアレンジで、見事なコーラス・ワークでウキウキ感を表現してるかと思えば、サビでの急に力が抜けてフワフワっと舞い上がる浮遊感がまた素敵すぎ。
 『Kites Are Fun』や『Bubbles』など、名曲の再録も含まれており、じっと耳を傾けたくなる好盤です。